若手社員が「忘年会の幹事」を思わずやりたくなる、デキる上司のすごい戦略
5. 皆からの感謝を伝えて「主役」にする さて、最後の仕上げです。無事に忘年会が終わったところまで時間を進めましょう。 締めのあいさつをその場にいる中で最も偉い人がするとか、誰かが一本締めの音頭を取るとか、そういうくだりがだいたいあると思います。 これらが全て終わった際に、上司であるあなた、もしくは、サポート役の先輩がきっかけをつくって、幹事に対する感謝を伝える状況を作りましょう。 「本日、幹事を務めてくれたAさん。ありがとう。非常に良い会になりました。感謝の気持ちを込めて、みなさんから、拍手をお願いします。」 という感じでしょうか。 そうすることで、幹事という裏方作業をしていた人を、表舞台の主役にすることができます。また、最後に名前を呼び、皆にその人を認識させることで、顔と名前を一致させる機会をつくることになります。 ここまでやり切れば、幹事をアサインする、というあなたの仕事も無事に完了です。 そんなに至れり尽くせりな状態にしないと、幹事を引き受けてもらえないのか、と思った方もいるでしょう。もちろん、世の中には、幹事が得意な人も大勢います。そういう人をピックアップして依頼すれば、こんなにまどろっこしいことは必要ありません。 しかし、幹事のアサインを「若手社員が、社内・部内に顔と名前を覚えてもらう機会をセットアップする」という「上司の仕事」として捉えれば、こういう作業に苦手意識のある若手に対して全力のサポートをしながら、うまく仕事を全うしてもらうよう仕向けていくべきです。 また、幹事のような、非常にウエットで、面倒な仕事をやり切ることには、達成感もあります。そして、うまくやり切ると周囲から「あいつ、仕事できるな」という風な評価を得られます。若手にとってはチャンスであるとも言えます。 その一方で、本当に幹事に向いていない人、極力そういう仕事は避けたい人もいます。チームの若手がそういうタイプの人ばかりだ、という場合には、「幹事に向いている中堅社員」「過去に幹事経験が豊富な人」にお願いするようにしましょう。無理強いしても、お互いツラいだけですからね。 ※そういうときにも、育成の観点では、「中堅幹事のサポート役」として、若手をアサインする選択も視野には入れておきたいところではあります(繰り返しますが、無理強いはやめましょう)。
田中耕比古