若手社員が「忘年会の幹事」を思わずやりたくなる、デキる上司のすごい戦略
3.制約事項を設定する 相手が引き受けることに前向きになった際に、とても大切なのは「丸投げ」を避けることです。 まず、最も大切なのが、制約事項を伝えることです。予算や場所、立地などに加えて、個室じゃないとダメとか、貸切じゃないとダメとか、そういった“縛り”を伝えましょう。 また、それだけ言われても、幹事に不慣れな状態で、場合によっては、その地域のお店情報にもそんなに精通していない若手には手の打ちようがありませんから、過去の開催実績も伝える方が親切です。 どういうお店で、いくらぐらいのコースでお願いしたといった情報があると、参考にしやすくなるでしょう(なお、「毎年、この店か、あの店でやっているよ」というようなシンプルな話であれば、幹事を引き受けるハードルもグッと下がります)。 また、会費制なのか、会社負担なのか。会費制だとしても、上司が多めに払う傾斜配分型なのか、均等割りなのか。当日その場で割り勘すればいいのか、事前に会費を設定しないといけないのかなどについても、制約事項がある場合には伝えておいてあげるべきです。 4.サポート役をアサインする 上司であるあなた自身がサポート役を担当しても良いのですが、もし可能であれば、面倒見がよくて人当たりの柔らかい先輩社員をアサインしましょう。さらに欲を言えば、ここ数年以内に幹事を経験している人が望ましいです。 先述した「制約事項」についても、サポート役がフォローすることで抜け漏れがなくなりますし、偉い人との事前調整なども、うまく手伝ってあげることができます。 また、前年と同じ店にすると文句を言われるとか、一昨年の店はみんなの評判が悪かったとか、そういう「制約事項」には含まれていない、“隠れた縛り”を教えてくれる人の存在は非常にありがたいです。 あるいは、「○○部長は、レモンサワーがないと不機嫌になる」とか、「■■主任は、普段、遠方にいるから当日のうちに会費を回収しておかないと、振り込みなどになって大変」とか、そういう一見どうでも良い割には、ミスると後で面倒くさいことに関するフォローアップも非常に役立ちます。転ばぬ先の杖、大切です。 また、一緒に考えてくれる人が居ることは、会社に対する信頼感の醸成にもつながります。幹事に限らず、仕事を丸投げして放置するタイプの組織には、忠誠心の持ちようがありません。伴走してくれる人の存在は、得難いものなのです。