若手社員が「忘年会の幹事」を思わずやりたくなる、デキる上司のすごい戦略
● 「幹事も悪くないな!」 と思わせる5つのステップ 幹事をすることの意義や意味、そしてメリットを明確にすれば、幹事を引き受ける人は増えるはずです。また、その中に「若手社員ならではのメリット」「若手社員だけが享受できるメリット」があるならば、若手が引き受けるべき理由にもなります。 そういう観点で幹事という役割を再解釈し、若手社員に伝えてみると、次のようになるでしょう。 1.開催目的を明確にする 最初に明確にすべきは、開催目的です。 「要するに、酒好きが飲んで騒ぎたいだけだろ」と思っている人は、幹事を引き受けるどころか、参加さえもしたくないことでしょう。 開催目的は、チームや部門の状況によって異なります。 チームを立ち上げたばかり、ということであれば、チームビルディングをしっかり行う必要があります。そういう目的だと、あまり大人数で開催するのは好ましくないかもしれません。サブチーム単位での開催のほうが適しているのなら、チーム全体での会と、個々のサブチームの会の両方をセットするなどの工夫も必要そうです。 複数の拠点に分かれているチームが、年に数回集まる場として設定するというのであれば、メールやチャットツールなどのテキストコミュニケーション、電話やウェブ会議などの音声コミュニケーションが中心の相手と、対面で話す貴重な機会です。また、そういうツールを介しているとプライベートな話をしにくいので、こういう場で「仲良くなる」ことはとても大事です。 営業チーム、企画チームなどの、業務機能で束ねられたチームで忘年会を開催する場合は、活動の振り返りと、来年に向けた意識合わせやモチベーション向上が目的になるでしょう。「仕事のことは忘れて」とか「無礼講で」とかいう建前は置きつつも、MVPの表彰や、来年の抱負発表などが織り込まれるケースが多いと思います。 こうした開催目的を明確にし、それを伝えれば、「遊びじゃなくて、仕事なんだな」「仕事において重要な会なんだな」ということを、認識してもらうことができるはずです。 2. 幹事を引き受けることのメリットを伝える 先ほどは、部門・チームとして得たい効果の話でした。今度は、幹事を引き受ける個人として、どんなメリットがあるのかというお話です。 幹事をするということになると、いろんな人とコミュニケーションを取る必要が出てきます。 一斉メールだとしても、若手社員から「忘年会のお知らせ」が飛んでくると、受け取った人は発信者の名前を認識します。人によっては「どういう人だろう?」と社内ポータルを確認したりもするかもしれません。 また、普段会話しない部長や支店長などの「偉い人」にも、「乾杯のあいさつをお願いします」とか、「大変恐縮なのですが、割り勘費用を多めにご負担いただけませんでしょうか」のような連絡をすることになります。 当日の現場の仕切りでは顔も見えますし、会費制であれば集金作業などの機会でコミュニケーションを取ることあるでしょう。 こうした「いろんな人に接触する機会」は、組織が大きくなると、そうそうあるものではありません。周囲に名前と顔を覚えてもらうのは、会社で仕事を円滑にこなしていく上で、非常に重要なことです。特に若手にとっては「困ったときに助けてくれる確率」を上げる効果が見込めます。知っている人からの頼みをむげに断れる人は、そんなにいないんですよね。 こうして得られる人間関係は、幹事という面倒な作業をやって得られる「対価」として、十分なものではないか、と伝えてみましょう(賛同は得られなくても、理解はしてもらえると思います)。