「あんたにできんのかよ!」朝倉未来&平本蓮も敵じゃない?なぜRIZINフェザー級王者の鈴木千裕は1RTKO防衛を果たせたのか
セミファイナルで元RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎をほぼ一方的な内容で破った太田忍は「一発目のテイクダウンを防いだのが鈴木の勝因だと思う。金原さんも打撃の選択になった」と、この試合の勝敗の帰趨を見ていた。開始早々、突っ込んできた鈴木に対して、金原がテイクダウンを狙うが、うまく体を入れ替えられロープに押し込まれた。太田はこれが分岐点だと分析した。 金原も「やりたいことができずに手詰まりになった。それをさせなかった鈴木のうまさがあった。打ち合いになれば勝てないことはわかっていた」と振り返った。 組みの展開で、鈴木の右ヒザが金的に入ったため、ブレイクが取られたが、再開後に鈴木はカーフキックを軸に組み立てて無理をしなくなった。 鈴木陣営にはかつて金原とコンビを組んでいた塩田“GoZo”歩トレーナーがセコンドについていた。金原は「やりにくさはなかったが、持っているものは15年前と変わらない。うまく攻略された」と、打撃勝負に追い詰められた、その参謀の作戦に敬意を示した。 「ひとつの時代が終わったかな」 かつてUFCのオクタゴンで戦い、RIZINでは、昨年9月に元RIZINフェザー級王者、クレベル・コイケから大金星を奪い、堂々の挑戦者の資格を持って挑んできた41歳のMMAファイターとの世代交代抗争に圧勝した鈴木は、そう言ってこの試合を総括した。 「金原さんから学ぶものがたくさんあった。発言にしろ王者はどうあるべきかを教えてもらった」と、リスペクトの言葉を忘れなかったが、「何ひとつ満足はしていない。見たい景色はここじゃない」と断言した。 「ピットブル! 次はお前だ。勝ったぞ。ベルトを賭けろよ。奪いにいきます」 再戦を要求されているピットブルと今度は彼が保持しているベラトールのベルトに挑戦する思いをぶちあげた。「日本に呼びたいが乗り込んでもいい」。マイクパフォーマンスで語った「日本のRIZINを世界のRIZINに変える」とは、そういうことだ。 榊原CEOも「最強の挑戦者に圧倒的なワンサイドゲームで勝って見せた可能性、ポテンシャル、実力に改めて脱帽する。RIZINのフェザー級を託すにふさわしい王者。ピットブルとの試合をぜひ全米で。タイミングを見て海外に送り出すことは近い将来起こりうる」と、全面バックアップを約束した。 そしてその先にあるのが大晦日のタイトル戦である。 榊原CEOは「秋口にベラトールにチャレンジして大晦日に戻ってくればいい。6月のクレベルとアーチュレッタの戦いにも注目。ケラモフもいる。朝倉以下、役者が揃う群雄割拠の階級。6、7月の2大会で、次なる挑戦者が見えてくる」との展望を明かした。 6月9日に代々木体育館で開催される「RIZIN.47」では、鈴木が体重超過騒動の末に黒星を喫している(無効試合)因縁のクレベル・コイケが元RIZIN&ベラトールのバンタム級王者のファン・アーチュレッタと対戦、そして7月28日の「超RIZIN.3」では、朝倉と平本が激突する。この勝者が最有力候補だろう。
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