パラオの観光にかかる税金についての話
山梨県がついに富士山の入山料を徴収するというニュースが上がってきたので、パラオの観光にかかる税金について書いておこうと思います。パラオは観光関連でかなりの税金を課し、環境保護の資金に充てる仕組みを作っています。
入国だけで100ドル徴収するパラオ 2017年末、「パラオ・プレッジ」で導入されたもので、プリスティン・パラダイス環境税というお金をとる仕組みです。エアチケットを買うと13歳以上の人1名あたりに100ドルが上乗せされています。 パラオ・プレッジは自然を傷つけない旨書かれた誓約をパスポートにスタンプで押し、そこに入国時にサインさせるという環境啓発キャンペーンのようなものです。下記が全文の日本語版です。日本からの入国者には日本語のスタンプが押されます。 パラオの皆さん、私は客人として、皆さんの美しくユニークな島を保存し保護することを誓います。 足運びは慎重に、行動に思いやりを、探査には配慮を忘れません。 与えられたもの以外は取りません。 私に害のないものは傷つけません。 自然に消えるもの以外の痕跡は残しません。 パラオ・プレッジの公式サイトはこちらです。 100ドルの内訳は10ドルが漁業保護信託基金、12.50ドルが州政府へ分配、25ドルはパラオ空港と年金、30ドルがグリーンフィー(環境関連団体への資金)、22.50ドルが国庫へということになっています。実は結構な割合で年金に充当される仕組みになっているのは、パラオの年金は資金不足で10年後には無くなると言われており、資金源を探していたという事情があります。観光業関連で稼いでいるパラオ人は相当数いて、税金を上げることに反発は当然あったと思われますが、この年金資金源を含めることで、パラオ・プレッジの国会通過が容易になったと思われます。 とはいえ、漁業など含めほぼ自然を守るためのお金には一応なっています。私の職場で、パラオのサンゴ礁海域の状況を調査しているサンゴ礁センターも上記のグリーン・フィーから運営資金を受けています。