「反対運動起こすから」。5200万円で土地を売ろうとした男性に「68歳の超迷惑隣人」が放った衝撃の一言
「あるものはあるよ」
Cさんは、関係各所に調査をしたけれど協定が見つけることができなかったこと、民法の規定に照らしても問題ないことを河合さんに伝えるため再度アポイントをとる電話をしました。 Cさん「関係各所へ調査をおこないましたが、河合さんのおっしゃる『協定』というものを発見することができませんでした。そのあたりを直接お話したいのですが」 河合さん「そんなはずはないと思うんだけどね、まあいいよ」 後日、Cさんと河合さんは、河合さん宅の玄関先にて面談しました。 Cさん「市役所、自治会の組長さんやご近所さん、佐々木様にもうかがいましたが、協定は発見できませんでした」 河合さん「なんで知らないのかわからないけど、あるものはあるよ」 Cさん「そうですか、なにか関連する資料などはお持ちですか」 河合さん「資料なんてものはないよ、このようなものは口約束だけでも有効だから。そもそも、社会通念上、先に住んでる人が守られるのは当たり前だろ」 Cさん「お気持ちはわかりますが、本件については、佐々木様の土地西側に窓を設置してはならないというルールは存在しません。あくまでも河合様のご要望ということになり強制力はないものと感じています。お断りされてしまうかもしれませんが、買主様に要望としてお伝えしましょうか」 河合さん「いやいや要望というよりも当たり前のことなんだから、守ってもらわないと困るよ。このまま俺の許可なくて進行したら、旗立てて建築中に反対運動するからね。覚悟しといてよ。 Cさんはどっちについたほうが有利かわかるよね」
田村さんと河合さんの面談
話は平行線のままその面談は終わりました。その内容を売り主である佐々木さんや、買う側の仲介業者さん経由で田村さんへお伝えすると、田村さんから、「一度河合さんとお話をしてみたい」という申し出がありました。 田村さんは河合さんの要望は納得できなかったようですが、とても気に入っていた土地を諦めきれなかったようです。直接顔を合わせれば、話がわかる方かもしれない……という、一縷の望みを残しての考えでした。 そのことを河合さんにお伝えすると、面談の開催は河合さんも鼻息荒く快諾という流れになりました。 後日、田村さん(土地購入検討者)・Cさん(売主側仲介業者)・河合さんの3者で面談が開催されました。 しかしながら、河合さんは、田村さんらの言うことには一切耳をかたむけず、一方的に自分の主張を繰り返すだけでした。その主張は以下のようなものです。 ・こちら側(河合さん宅側)に窓は設けるべきではない ・以前、近所同士で話し合ったルールである ・建築する場合は建築計画をみせて欲しい ・拒否したら反対運動を起こす 残念ながら田村さんは、この地での夢の実現を諦めることとなりました。 せっかくの「夢の注文住宅」を実現できる機会だったのに……。 通気用に窓は欲しい、しかし北側ならまだしも、朝日が射すであろう貴重な東側に窓が設けられない。そもそも考え方が相違する方が目の前に居住している。そして無視をして窓を設けるとすると家族に危険を及ぼす可能性もある……。 それらを考慮に入れ、田村さんは「ご縁がなかった土地である」と自分自身を説得し辞退することになりました。 田村さんの気持ちや決断には頭が下がります。田村さんの側にずっといた奥様の頬には、涙がつたっていたようです。 売り主である佐々木さんも憤慨しておりましたが、河合さんとやり合うのにも費用や労力を要すること、そして、河合さんを説得する成功率の低さから「河合さんと折り合いをつける」という選択肢は捨てて、「河合さんの存在を納得して購入してくれる方を探す」ということで売却活動を再開しました。