就職氷河期世代が抱える老後不安「平均年収・貯蓄額・年金見込額」はいくらか
バブル崩壊後に厳しい雇用環境で就職活動をおこなった「就職氷河期世代」は、希望の仕事に就けなかった人も多いです。また、正社員ではなく非正規社員として働く人も一定います。 ◆【グラフ】30歳代後半~50歳代の平均給与はどのくらい?現役時代の平均年収別でみる厚生年金の目安はいくら? そのため、年収が低くて貯金が貯まらず、老後に不安を抱える人もいるでしょう。 そこで本記事では、就職氷河期世代の平均年収と貯蓄額、年金見込額を紹介します。 就職氷河期世代のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
就職氷河期世代の平均年収はいくらか
まずは、就職氷河期世代の平均年収を確認しましょう。 就職氷河期世代とは、一般に30歳代後半から50歳代をさします。 国税庁官官房企画課「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、就職氷河期世代の平均年収は以下のとおりです。 ●就職氷河期世代の平均年収 年齢 平均年収 ・35~39歳 466万円(男性556万円・女性336万円) ・40~44歳 501万円(男性612万円・女性343万円) ・45~49歳 521万円(男性653万円・女性343万円) ・50~54歳 540万円(男性689万円・女性343万円) ・55~59歳 545万円(男性712万円・女性330万円) 就職氷河期世代のなかでも、年齢が上がるほど平均年収は高くなっています。 ただし、男性と女性の差はかなり大きいです。これは、女性は男性に比べて非正規社員の割合が高いことも要因の一つとなっています。
就職氷河期世代はどれくらい貯蓄をしているのか
就職氷河期世代の年収を確認しましたが、貯蓄はどれくらいできているのでしょうか。 就職氷河期世代のなかでももっとも老後が近い、50歳代の貯蓄額を確認してみましょう。 ●50歳代単身世帯の金融資産保有額 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、50歳代単身世帯の金融資産保有額の分布は以下のとおりとなっています。 ・非保有 :38.3% ・100万円未満 :11.2% ・100~200万円未満 :5.2% ・200~300万円未満 :2.7% ・300~400万円未満 :3.6% ・400~500万円未満 :3.8% ・500~700万円未満 :4.6% ・700~1000万円未満 :5.5% ・1000~1500万円未満 :4.9% ・1500~2000万円未満 :4.1% ・2000~3000万円未満 :4.4% ・3000万円以上 :9.3% ・無回答 :2.5% ・平均値 :1391万円 ・中央値 :80万円 平均貯蓄額は1391万円と比較的高いですが、より実態を表す中央値はわずか80万円です。多くの単身就職氷河期世代は、老後に向けて十分な貯蓄がないことがわかります。 次に、夫婦で暮らす50歳代世帯の貯蓄額を確認しましょう。 ●50歳代二人以上世帯の金融資産保有額 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。 ・非保有 :27.4% ・100万円未満 :9.1% ・100~200万円未満 :6.4% ・200~300万円未満 :3.8% ・300~400万円未満 :3.9% ・400~500万円未満 :3.8% ・500~700万円未満 :5.6% ・700~1000万円未満 :5.5% ・1000~1500万円未満 :8.9% ・1500~2000万円未満 :4.2% ・2000~3000万円未満 :5.4% ・3000万円以上 :11.2% ・無回答 :4.8% ・平均値 :1147万円 ・中央値 :300万円 中央値は300万円と単身世帯に比べて貯蓄額が多いです。ただし、ゆとりある老後生活を送るのに十分な金額とは言えないでしょう。