ヤクルト・吉村貢司郎、プロ初完投&初完封! 前腕鍛え上げ巨人斬り「全力で投げた」
圧倒した!! ヤクルト・吉村貢司郎投手(26)が4日、巨人21回戦(京セラ)で9回125球、9安打無失点無四球の快投を見せ、プロ初完投を初完封勝利で飾った。6月21日の同戦(東京ドーム)以来、約2カ月半ぶりの6勝目(8敗)。自己最速タイとなる154キロの直球を軸に三塁を踏ませず、チームを6カードぶりの勝ち越しに導いた。依然としてリーグ最下位だが、2位・巨人相手に2連勝。混セをかき回し、浮上につなげる。 最後まで全力で腕を振った。九回2死一、二塁。吉村は泉口をフォークで打ち取ると、右拳を握った。2年目で達成したプロ初完投が初完封勝利。試合後は笑みを浮かべ、歓声に応えた。 「率直にうれしい。終盤に野手の方も点数を取ってくれたので、絶対に守り切るぞという気持ちで投げた」 再三のピンチも乗り切り、巨人打線をねじ伏せた。直近2試合で3失点していた一回は先頭の丸に中前打を許すも後続を断った。終盤の3イニングはいずれも走者を二塁まで進められたが、伊藤投手コーチから「完封してこい」と背中を押され、最後まで三塁を踏ませず、9回9安打無四球。6月21日の巨人戦(東京ドーム)以来、約2カ月半ぶりの勝利だった。 「ふがいないピッチングばかりで全然勝てなかったけど、1イニング1イニング抑えていこうと思って全力で投げた」 攻めの投球が奏功した。自己最速タイとなる154キロを計測した直球を125球のうち59球配球。球場の広い京セラドーム大阪の地の利を存分に生かし、「安定してストライク先行で投げられた」とうなずいた。 悔しさを忘れず、努力の成果を腕に宿した。1年目の昨季は、上半身のコンディション不良でシーズン中に長期間離脱。故障防止と強化のため、前腕を鍛え続けてきた。腕の太さは正確に測っていないが、同僚の田口が驚くほど。今季中も10キロ以上の重りを持ち手首を上下させるトレーニングを続け「でかくなったなと。指先の感覚、押し込む感覚は良くなった」。今季は一度も離脱せず、終盤戦までローテーションを守っている。 数週間前、吉村と2人きりで話し「逃げずにストライク先行でどんどんやっていけ」と声をかけた高津監督は「思うようなピッチングができたと思う。1年間ローテーションで回したいというわれわれの希望に応え、一生懸命シーズンを過ごしている」とたたえた。
2位・巨人相手に連勝で6カードぶりの勝ち越し。依然として最下位だが、2年目右腕の快投は大きな希望の光だ。(赤尾裕希)