虎のソナタ 才木&森下の活躍に誇らしげなトラ番 阪神の選手中心な国際大会…胸張って取材
野球ファンには2種類が存在する、と思っている。 まずは、球場で、テレビの前で、野球の試合を見て一喜一憂するタイプ。これが王道だ。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 もうひとつが、キャンプなどに駆け付けて、練習を眺めて楽しむ人々。世間的には、こちらが「正真正銘」の野球ファンと言われている。 わがサンケイスポーツの歴代の〝お偉いさま〟は、なぜかこのタイプが多かった。 あれは藤浪晋太郎がルーキーだった年。キャンプ視察にやってきた当時のサンスポのトップは、お供の一行と帰りのワゴン車に乗ろうとした。そのとき、視線の先に人だかりが。 「あれは、何をやってるの?」 尋ねられたら正直に答える。藤浪が走ってます、と。すると-。 「お~い、藤浪が走っているらしいぞ。見に行こう!」 そこから、わが社のトップは1時間以上、走っているだけ(?)の藤浪を見守り続けた。 次の予定もあるから、早く帰らなければいけなかったらしい。お供の方々から「なんで正直に答えたんだ」と叱られた。でも「正真正銘」の野球好き、阪神好きが上司だと分かって誇らしかった。 ただし、トラ番記者にとって「練習しかしない」キャンプは試練だ。三振を奪ったり、ホームランを打ったりしない。結果が出ないから、練習の中から、わずかな変化を発見して、原稿をひねり出す必要がある。 打ってるだけです! 投げてるだけです! 走ってるだけです! な~んて言い訳を、デスクが許してくれるはずがないのだ。 紅白戦翌日のキャンプ地・安芸。キャップ新里公章率いる取材班は、日が沈んで真っ暗闇になるまで、選手に食い下がり続けた。 キャンプ取材班とは正反対に、打って投げてをド派手に演じる選手を取材しているのが、プレミア12の取材をしているトラ番・中屋友那だ。 藤川監督に「プレミアの取材に行きます」と告げたら「カッコつけて」と冷やかされた男だが、日々カッコつけて取材し、カッコつけてタテジマ戦士の大活躍を書きまくっている。 「才木投手も、森下選手も、チームの軸ですからね。井端監督にも2人のことを質問していますが、絶賛ばかり。こっちまで誇らしい気分です」