【Photos】北の大地が織りなす湖川の美
自然写真界の巨匠・水越武が、1972から2022年までの半世紀にわたって北海道各地で撮影した全180枚を収録する『アイヌモシリ:オオカミが見た北海道』(北海道新聞社刊 / 英文併記 B4変型判、204ページ)。タイトルには「エゾオオカミが徘徊(はいかい)していた100年前の北海道は、地球上で最も美しい自然が息づいていたに違いない」との思いが込められているという。監修を担当した北海道大学・小野有五名誉教授(自然地理学)の学術的な解説も読み応えがある。nippon.comの〈水越武が捉えた北海道の大自然〉シリーズでは、北海道新聞社の協力の下、写真集に収録されている写真の一部をテーマごとに紹介していく。
【Profile】
水越 武 写真家。1938年愛知県豊橋市生まれ。北海道弟子屈町在住。大学を中退後、田淵行男氏に師事。日本アルプス、屋久島、ヒマラヤ、アラスカ、シベリア、アフリカなど国内外の山岳、森林などを撮影。『日本の原生林』(岩波書店、1990年)で日本写真協会賞年度賞、『森林列島』(同、1998年)で土門拳賞、『知床 残された原始』(同、2008年)で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『わたしの山の博物誌』(新潮社、2009年)、『月に吠えるオオカミ』(岩波書店、2013年)、『日本アルプスのライチョウ』(新潮社、2020年)など。