「鉄の拳」中野幹士、11戦全勝での東洋太平洋フェザー級王座獲得にうれし泣き
プロボクシングの東洋太平洋フェザー級王座決定戦が7日、東京・後楽園ホールで行われた。同級1位の中野幹士(29)=帝拳=が、同級14位のブリックス・ピアラ(22)=フィリピン=に4回34秒KO勝ち。初のタイトル戦で王座を獲得し、喜びの涙を流した。 3回終了のゴングと同時に左ボディーでダウンを奪い、ピアラはなんとか立ち上がったが、続く4回に左右のボディーを連打してダウンを追加。ピアラは泣きそうな顔で悶絶(もんぜつ)して立ち上がることができなかった。中野は勝利者インタビュー中に「一生懸命やってきた。ありがとうございます」と話し、感極まって涙を流した。 前戦は5月に後楽園ホールでの128ポンド(約58キロ)契約10回戦で、WBC世界フェザー級31位だったサタポーン・サアット(タイ)に7回TKO勝ち。5戦連続のKO勝利を挙げたものの、「もっとスカッと勝ちたかった」と控室で悔し涙を流した。同じ涙でも今回はうれし涙に変えた。 6月には4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=とのスパーリングを2度経験。プロ初のサウスポーとの対戦だったが、サウスポーの元世界2階級制覇王者、粟生隆寛トレーナー(40)の指導もあり、まったく問題にしなかった。 アマチュア7冠で、「鉄の拳」の愛称を持つ強打のサウスポー。「もっと良いベルトを見せられるように頑張っていきます」と世界王座を狙うことを宣言した。 興行は午後5時45分から動画配信サービスのU-NEXTで独占生配信された。プロ戦績は中野が11戦11勝(10KO)、ピアラが11戦9勝(3KO)2敗となった。(尾﨑陽介)