「なぜねんど職人アイドルに!?」おねんどお姉さんで人気の岡田ひとみ(43)「君が必要なわけじゃないよね」の言葉で辿り着いた道
── そこで“ねんど”に行き着いたんですね。 岡田さん:そうですね。もともと母がものづくりが得意だったので、真似をして小学生くらいから紙ねんどで作品を作ったりしていました。それを高校生になっても続けていて、ときどきドールハウスやミニチュア作品を作っていたんです。それを人に見せたらすごく喜んでくれて、「もっと見たい」と言ってもらえて。 そこで「もしかして私はねんどが得意なのかな」と気づきました。そのことを先ほどの構成作家さんに相談したら「面白い」と言ってもらえて。そこから1年間、ねんど作品をたくさん作ったり、自分の気持ちや考えをまとめたりしながら、2002年11月7日、22歳の誕生日に「ねんドルになります」とホームページで発表したのがスタートです。
── 当時は10代のアイドルも多かったと思います。 岡田さん:そうですね。まわりには15歳ぐらいの子もいて「22歳はスタートとしては少し遅いかな」と思っていました。ただ、自分は既存の番組に出たいわけじゃなく、仕事を作り出そうと思っていたので、そこまで気にしていませんでした。 そこからは自分で「こんな衣装を着たいな」と考えたり。ねんどで食べ物を作るのが得意なので、最初は既製服を組み合わせて、コックさんの服にスカートを合わせて「ミニチュアのコックさん」というイメージでスタートしました。
最初は個展をやったんですが、ラジオ番組でMCの方が大きなリアクションで視聴者の想像力をかき立ててくださって。「そんな小さなお寿司、見てみたい!」と、まったく知名度はないのに、初めての個展にはギャラリーの記録を塗り替えるぐらいお客さまが来てくださったんです。 アーティストといえば作品を売るのが普通だと思うんですが、私は作品を売るという感覚があまりなくて、上手にできたら手放したくなかったんです。それで「作る楽しさを広げたいな」と思うようになり、ねんど教室を始めました。