都会・田舎に住む「二地域居住」は本当に幸せなのか?
広がる地方移住のチャンス
もしあなたが都会に暮らしているなら、こんな風に思ったことはないだろうか。 「今の仕事は続けたいけど、自然豊かな田舎でも暮らしてみたい」 【画像】えっ…! これが40年前の足立区「竹ノ塚」です(計17枚) もしあなたが地方に暮らしているなら、こんな風に思ったことはないだろうか。 「豊かな自然の素晴らしさを知る人が増え、地域を活性化できればいいのに」 この(相思相愛のような)ふたつの思いをうまくマッチングさせることはできないのだろうか。コロナ禍を経て、過密する都会生活の問題点がクローズアップされるようになると、都会から地方への移住に対する関心の高まりが、新たな形でますます期待されるようになってきている。 そんななか、2024年2月に広域的地方活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正することが閣議決定された。 「二地域居住」 の推進する施策だ。都会に拠点を置く人が安心して田舎に移住したり滞在したりできる。受け入れる地域の側も万全の体制で都会からの移住者を迎える。その後押しとして、地方側の都道府県と市町村が連携して、移住者を受け入れる体制を整えやすくするというものだ。
人口減少対策の新潮流
二地域居住とは、都市と地方の二か所に生活拠点を持つという新しい生活スタイルだ。 これが進めば、新しい住民は、地元の商店やサービスを利用することで地域経済に貢献する。さらに、新しいアイデアや技術が地域にもたらされれば、産業の多様化や新規事業の創出が促進される可能性もある。 人口減少が深刻な課題となっている地域にとっては、二地域居住により一時的にでも人口が増加することで、学校や病院、交通機関など、社会インフラの維持が可能となり、地域社会の存続につながるという期待もある。 都市部としても、過密状態を緩和し地方への人口分散を図ることで、大気汚染や交通渋滞といった環境負荷が軽減されることが期待される。まさに地方にとっても都市部にとってもウインウインといえる。 しかし、実現は簡単ではない。現実にはいくつかの大きな課題がある。