鍵を手放したくない…! 2024年長期テストで最も好印象だったクルマ 8選
フォルクスワーゲン・トゥアレグ
記者の推薦はいらない。AUTOCAR英国編集部が使い倒していたからだ。 誰も驚かなかったことだが、今年最も頻繁に駆り出されたのは、巨大なディーゼル車のフォルクスワーゲン・トゥアレグだった。遠く離れた新車発表会への出席や、「ベルギー」や「グラスゴー」といった聞いたこともないような場所にいる家族を訪問したり、家族を騒がしい英国の高速道路網で移動させたりするために使われた。 モンゴルまで運転するのに最適なクルマがなぜこれなのか、筆者はバプラート記者に尋ねた。すると彼はこう答えた。「実際に運転したからだよ。正確にはモンゴルではないが、欧州を3000km以上運転した。VWには不満もあるが、信頼性が高く、快適で、それなりに経済的だった」 マレー・スカリオン記者も同様に賞賛したが、ただし「燃料代を誰かが払ってくれる場合」に限るとの条件付きだ。(英国の軽油価格はガソリンに比べて、日本のように安くない) 意外な推薦を受けたのは、ルノー・クリオEテック・ハイブリッドだ。推薦したブライス記者は、大型車並みの洗練性と経済性を兼ね備え、「スーパミニ(Bセグ車)が単なるビスケット缶にヘッドライトを付けただけのものではないことを証明している」と語った。 クリス・カルマー記者は、ランドローバー・ディフェンダー130のツーリング性能に想定外の感銘を受け、「この本格的なオフロード車が、実際には高級セダンのように感じられることに、いまだに驚いている」と話した。もちろん、彼はこのクルマを立体駐車場に入れたことはない。 マセラティMC20も、リメル記者から意外な推薦を受けた。リメル記者は、MC20は驚くほど快適だが燃料タンクが小さいと指摘しつつ、「自分の膀胱は、たぶんもっと小さい」と述べた。
アルファ・ロメオ・ジュリアQV
客観性なんて知ったこっちゃない。クルマが引き取られていくのは、ほとんどの場合悲しい出来事だ。数か月間ハンドルを握っていれば、クルマとの間に信頼関係を築くことができる。今年も残念ながらいくつもの名車の鍵を渋々返さなければならなかった。 アルファ・ロメオのジュリア・クアドリフォリオはまだ英国編集部の手元にあるが、スタッフらに与えた印象があまりにも強烈だったため、すでに別れの日が怖くなっている。 「永遠に運転していられそうなクルマだ」とマット・プライヤー記者は語り、ヘッドフォンを装着して、V6エンジンのうなるような音を何度も聞き続けた。 管理担当のスカリオン記者にとって、最も恋しいのは「滑らかな走りとパワフルなエンジン」であり、見た目に多少の注文があっても、別れを惜しむ気持ちが和らぐことはないという。 一方、アトウッド記者は、ポルシェに「自分」のタイカンが奪われることを嘆いたが(残念)、「それで良かったと思う。走行距離を重ねるごとに、その価値が下がる一方で、僕はますますこれを購入すべきだと確信するようになったからだ。絶対に買う余裕はないのに。なぜ今年もまた浴室の修理を頼んだんだろう?」と認めた。