超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】
しかし、車掌姿のシューヤが「ここ、ライブ会場じゃないんですよ! 駅のホームですから早く出てください!」とユーキを追い出してからは、メインステージに電車のパネルがイン。学生服のリョウガ、タクヤ、マサヒロとサラリーマンのハル、そしてラフな私服スタイルのカイ、アロハが電車に乗り込むと、車掌の制服を着たタカシ&シューヤの生歌に合わせ、ミュージカル形式で楽曲を綴っていく。安全と8号車の笑顔を確認した2人が「この電車は『Rail is Beautiful』行きとなっております。それでは出発進行!」と宣言し、「Rush Hour」にもまれて6人は踊るが、ステージ上段に登場した赤いドレスのユーキ……ならぬユー子にアロハはひとめぼれ。 カイやハルとダンスで掛け合いながら「Pretty Girl」で猛アピールして、ユー子を抱きかかえるようにリフトすると、赤い薔薇を手渡して遂に告白に成功する。そこからディナーにエスコートしてデートに進むものの、テーブルマナーに戸惑う姿を「Table Manners」の歌詞に合わせて演じるアロハの後ろには、ウェイタースタイルでダンスするリョウガ、タクヤ、マサヒロが。パニックに陥った心情を「panipani」で表し、ユー子に無理矢理キスしたアロハは、リョウガと共に「Kiss Me Baby」のキレキレなダンスで、いきなり色気をダダ漏れにする。だが、そこにオレンジのワンピースを着た本カノ役のハルが「ちょっと! なに浮気してんのよ!」と登場するなり、警察官のカイが「愛と正義のパトロール!」と現れて「POLICEMAN」でアロハとハルを元サヤに収め、仲直りのキスで一件落着。
最後は車掌にカップル、ウェイターに警察官と、なかなかのカオスなビジュアルで「ラキラキ」を全員で楽しく踊り、客席に“yeah!”のコールを湧かせていった。物語に合う楽曲をチョイスし、それを歌うボーカルに合わせてダンサーが演じるというコミカルなパフォーマンスは、史上初のメインダンサー&バックボーカルというグループ構成に、10年を超えるキャリアで豊富な楽曲レパートリーを持つ彼らだからこそ。そこに加入から2年で果敢に喰らいついていくシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルと2桁号車の4人も頼もしく、加えてユーキとハルは公演を重ねるごとにビジュアルのかわいらしさに磨きがかかっていた。そんな変身力もパフォーマーとしては確実に一つの武器になるだろう。 「まだまだすてきな旅は続きます。それでは出発進行!」というタカシの号令からは、さらに“美”の象徴とも言える“花”の物語を表していく。LEDには超特急BULLET TRAIN号に乗ってくつろぐメンバーの映像が映り、最後に真っ白な服でたたずむ9人と、ステージに現れたリアルの9人が完全にシンクロ。そしてセンターで掌から花の種を落としたタクヤが突如、猛烈な蹴りを繰り出して「Cead Mile Failte」を投下すれば、LED上では種から出た芽が真っ赤な花となる。重低音のシンフォニックなトラックに乗るアグレッシブでダイナミックなダンスは、裾の長い白衣装によく映えて、シューヤの圧倒的フェイクからゆがんだ声で“摘ませない花を”とたたきつけられるツインボーカルも力強い。