「生産性が上げられない会社、チャレンジできない会社は終わっていく」CIO Lounge理事長が考える“日本企業の未来”とは?
◆AIを使えるかどうかだけでも生産性に差が生まれる
今回のカンファレンスでは、来場者からの質問に矢島さんが直接回答する時間も設けられました。まずは「会社を変革するために、長年培ってきた企業の文化、風土を変えていかないといけないと思っているのですが、それがなかなか難しい……どう変えていけばいいのか? ご意見を伺いたいです」という質問。 これに、矢島さんは「(質問者の)おっしゃる通り、トップが認識しないと企業を変えることは不可能ですよね。ということは、CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、もしくはIT責任者に“トップの考え方を変えよう”という認識をさせるしかないと思います。そこをせずに、自分自身だけでなんとかしようとするのは多分不可能じゃないでしょうか」と言い切ります。 さらには、「トップのなかには『DXをやれ!』とだけ言って知らん顔をする人もいるので、そういう人に対しては“何をしないといけないのか”ということをしっかりフォローすることも重要です。そして、徐々に取締役会や現場に(仲間同士の改革の)輪を作ることが必要不可欠ではないかと思います」とアドバイスを送ります。 続いて、「経営陣のなかには、どうしても粘土層(40代、50代の中間管理職)がいて、その方々の認識を変えさせるには何をしていけば良いでしょうか?」という質問を投げかけられると、矢島さんは、自身がおこなってきたことのなかから、まずは“その方々にメリットのある成功例を社内でつくること”。そして、メディアなどに社内のDX化の実績を打ち出すなど“会社の外から攻める”という2つの取り組みを紹介しました。 最後に、今後デジタル化が進んでいくなかでの“未来の風景”を聞いてみると、「AIを使う人間と使わない人間では、今もどんどん差が開いている。それだけで生産性がものすごく違いますから」と矢島さん。しかしながら、AIを使わない人が大勢いることを「もったいない」と嘆きつつも、「何事も全員が理解するのは不可能なので、“4~6割の人が理解できる”という認識でやっていかないと、しんどい世界になっていくんじゃないか、という気がします」と話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年11月23日(土・祝)放送より)