【ラブレターズ・1万字インタビュー後編】第七世代ブームの裏で低迷し続けた6年。脱出のカギは「おじさんであると受け入れたこと」
『キングオブコント2024』で優勝したラブレターズ。2011年、当時最年少で『キングオブコント』ファイナリストになるも、優勝までの道のりは決して順風満帆ではなかった。そんなふたりの半生を振り返る1万字インタビュー。 【前編はこちら】放送作家&俳優に憧れ出会ったふたりが、コント師・ラブレターズになるまで 後編では、若手が憧れる仕事を次々と経験するなど順調だった20代から、下の世代の台頭により始まった低迷期、そして39歳で『キングオブコント』王者に輝くまでの苦悩を語る。
第七世代ブームの裏で地獄の6年間
──『キングオブコント2011』で決勝に初進出したあと、芸人としての活動は順調に? 塚本直毅(以下、塚本) とにかく歌やラップではないネタで、もう一回『キングオブコント』の決勝にいくことを目標にネタを作ってました。 溜口佑太朗(以下、溜口) お仕事としては、2013年にフジテレビで『バチバチエレキテる』というコント番組が始まったり、2014年は『ラブレターズのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)をやらせてもらったり、20代の若手芸人としてはかなり順調だったと思います。 塚本 この期間に、若手が目指す芸人の仕事はもうほとんどできたくらいの感じでした。 溜口 正直、若手としてキラキラしてましたよ。 ──そして『キングオブコント2014』で、二度目の決勝進出と。 塚本 せっかくのチャンスだったのに、ファーストステージで敗退でした。 溜口 でも2回決勝に行けたことで、それなりに自信もついて、この年はそこまでは落ちこまなかったんです。次の年の『キングオブコント』は準決勝で負けちゃいましたけど、その次ではまた決勝にいけましたし。 塚本 三度目の決勝進出、この2016年が勝負の年だったのに、結果が最下位で。 溜口 このときは落ち込みましたね。『バチバチエレキテる』も『オールナイトニッポン』も終わっていて、レギュラー番組もない、三度目の『キングオブコント』決勝は最下位。ここで一旦やり切った感というか、出し尽くした感がありました。 塚本 しかも、ずっとライブで一緒だった人たちが結果を出し始めて。かもめんたるさんは『キングオブコント2013』で優勝、さらば青春の光も『キングオブコント』決勝の常連で、準優勝もしている。置いていかれたような気分だったよね。 溜口 うん、そうね。僕らはテレビのバラエティで活躍できるタイプではないのに、『キングオブコント』でも勝てなかったら、もう打つ手がない感じ。 塚本 さらに、2017年からは決勝どころか、準決勝にすらいけなくなって。そこから6年間、地獄の始まりです。 溜口 中途半端に知名度があるのでフレッシュさもないし、年齢も30代になってるし、なにより2018年に霜降り明星が『M-1グランプリ』で優勝してからは、一気に第七世代ブームがきて、完全に僕らの需要がなくなった感じはしましたね。 塚本 やってることは変わらないのに、風が吹いてないのを肌で実感できました。