「死ぬまで働く。それが本望」101歳の現役自転車職人、生きがいは“仕事後の一杯” 年金受け取りながら働くシニア世代の現実
“人生100年時代”と呼ばれる現代は、年金を受け取りながら働くシニアの姿も珍しくない。働く理由は生活や健康のためなど様々。加齢の影響と付き合いながら、シニア世代はどのような仕事を選び、何歳まで働きたいと考えているのか。シニア世代のリアルな声を調べてみた。 【画像】マクドナルドで「おもてなしリーダー」を担当する灰田智香さん(78)
若者世代の理想「50歳ぐらいで…」
働く中で、多くの人が一度は想像するリタイア後の人生。街を歩く若い世代に何歳まで働きたいか話を聞いてみると、さまざまな理想があった。 歯科衛生士・女性(21歳): 希望は50歳ぐらいでやめたい。それ以降はもう家でゆっくりしたいです。 大学生・女性(20歳): 50歳手前でやめたい。(それ以降は)ゆっくりのんびり暮らしたい。 日本語学校を卒業したネパール人女性: ネパールではだいたい50歳まで働いて。旅行。イタリアとかアメリカとか旅行したいです。 インタビューした若い世代からは、50歳前後で働くのを止めるのが理想とする声が多く見られた。旅行など具体的な“理想のリタイア生活”を夢見る人も少なくない。 しかし、最近は定年後も働くシニアの姿は珍しくないことだ。街を歩くシニアに働く理由を訪ねてみると、リアルな現実が見えてきた。
シニア世代“年金だけで生活無理”
まずは、クリーニング関係の仕事に勤める76歳の女性に話を聞いた。週5日で1日2~3時間働いており、月に6~7万円の収入を得ているという。 女性(76歳): 年金だけで生活することはとてもできませんよ。都営(住宅)に入っているから家賃も払わなきゃいけないし、私ぐらいの年代ではみんな働いてますよ。自分の体が続く限りは自分ではその気持ちでいますね。 76歳の女性の働く理由は“生活のため”。年金だけで生活するのは現実的に難しく、生活のために働かざるを得ない同世代は多いと語っていた。 一方、1日2時間半、週3日のペースで清掃の仕事に勤める80歳女性。1人暮らしで家賃は月5万円だという。 女性(80歳): 生活のためでしょ。物価は高くなるし、家賃は高いし、私の生活どうするのって考えながら泣いてますよ。 女性は80歳を超えても、生活のためには体が動く限りは働き続ける意向だと語った。 また、1日2時間、週5日マンションの清掃をしている80歳男性も、働く理由は同じく“生活のため”だ。5~6万円の月給では、年金と合わせても6万2000円の家賃を払えない月があると語った。 男性(80歳): (家賃の)引き落としに間に合わなければどこかから借りてくるか、友達から借りたり…。働きたくて働いてるわけじゃなくて、食べなきゃ死んでしまうからね。 シニアたちにとって「生活のために働く」ということは若い世代と同じく、リアルな日常なのである。