4シーズンぶりに1部復帰の帝京大、「一戦必勝」で臨むリーグ戦で4連勝
勝ってもなお気を抜かず、貪欲に
指揮官は、主将の今﨑圭秦(けいしん)内野手(4年・智辯学園)を「一番練習する選手」と言い、信頼を置く。さらに今﨑は打線のキーパーソンでもあり、筑波大1回戦では1回裏に先制のグランドスラムを放った。 「僕は、6番・7番という打順が、すごく重要だと思っているんですよね。2部でやっていたときもそうでしたけど、6番は一番ランナーが溜まりやすく点が入りやすい打順だと思っています。今﨑に関しては、仕留める力や集中力もあり、チームで一番勝負強い選手。ホームランを打つので4番でもいいのかもしれないですけど、本当にチームのためにと考えるのであれば、6番がいいと思ってそこに置いています」 そんな唐澤監督の期待に応え、プレーでチームを引っ張る今﨑だが、もちろん主将として選手たちの精神的な支柱にもなっている。 「キャプテンが気持ちの浮き沈みを出してしまうと、チームにいい影響を与えないと思うので、たとえ自分の状態が悪くても沈まないようにというのを意識しています。連勝しているのでチームの雰囲気はすごくいいですが、浮かれてしまわないように、そこは自分がみんなに声掛けしていきたいと思っています」 そう主将としての心得を語っていた今﨑の言葉と唐澤監督の言葉は共通している部分も多く、きちんと意識の共有ができていると感じられた。それも、チーム状況が良い理由のひとつだろう。 今﨑の話によると、帝京大ナインは試合をやるうえで、全員が自分中心にならないように心がけ「全力疾走」「カバーリング」「指示の声」を徹底しているという。試合中は状況を見て指揮官から狙い球などの指示があるので、それも全員で徹底する。どのチームも心がけている基本的なことかもしれないが、全員が高い志を持って徹底しなければ、結果はついてこない。 高い志と言えば、筑波大2回戦で5打数4安打1四球3打点と大暴れした彦坂藍斗(あおと)外野手(3年・享栄)が、その結果に満足していないことに驚いた。左打者である彦坂がこの日打ったのは、ライト線の二塁打1本とセンター方向への単打が3本。自分の目指している「逆方向への強い打球」を徹底できなかったことが、満足できなかった理由だと言う。