置き去りにされた白猫は猫エイズウイルス陽性 優しさと善意のリレーで譲渡型猫カフェへ そして運命の人との出会い
輝くような真っ白な毛並みの美形の白猫・しろくん。メスに見えますが、れっきとしたBOY。性格も抜群で、明るく元気な素ぶりを見せてくれますが、実はしろくん、元飼い主に置き去りにされた猫でした。 【写真】しろくんは猫エイズウイルス(FIV)キャリアでした 一時はそのまま外猫になる可能性もありましたが、人懐っこく穏やかな性格であることから、「外猫の厳しい社会では危ないだろう」と心ある人に保護されました。
検査で「りんご猫」であることがわかった
保護された後、動物病院で検査を受けましたが、そこでわかったのが猫エイズウイルス(FIV)陽性だったこと。FIVキャリアの猫は「りんご猫」と呼ばれます。FIVは人間には感染せず、仮にキャリアの猫であっても生涯発症しないケースも多いもの。ただし、他の猫に感染させる可能性もあるため隔離されるケースが多いのも事実で、飼い猫の場合、一般的に非キャリアの猫と隔離されて過ごすことが多いものです。 心ある保護主さんの思いを託された、大阪の譲渡型猫カフェ「猫の惑星にゃーくる」でも、しろくんを「りんご猫」専用部屋でお世話することにしました。 同カフェで里親募集を実施するのと合わせて、猫のあらゆるサポートをする会社「ねこから目線。」でもしろくんの里親さん探しを実施しました。
イケニャン・性格良好なのになかなか縁がなかった
しろくんは人懐っこいだけでなく、他の猫とのコミュニケーションもバッチリ。争うような素ぶりを見せず、先住のおじさん猫たちにもすぐに溶け込み、気づけば一緒に寝ていることもあります。 遊ぶことも大好きで無垢な瞳でずっとオモチャと格闘。しろくんのそんなかわいい様子はオーラを放っていました。 しかし、「うちにおいで」の声がかかりません。「りんご猫」であることが足かせになっているのかもしれません。
ついにしろくんが幸せな第二の猫生を手繰り寄せた
そんな矢先「しろくんをうちに迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。聞けば、しろくんと同じ「りんご猫」を3匹飼っていて、「もう1匹飼いたい」と思っていたそうです。また、日頃から猫に関するボランティアも行っており、スタッフとの面談でもあふれんばかりの「猫愛」が感じられる方でした。 スタッフは保護主さんに相談し、この里親希望者さんの家にトライアルで預けることに。しろくんはここでも持ち前の性格で、先住猫たちとも穏やかに意気投合。もちろん里親希望者さんにもすぐに懐き、この家がしろくんの「ずっとのお家」になりました。 関係者一同、大喜び。特に「猫の惑星にゃーくる」にいる「りんご猫」初のエントリーだったこともあり、幸せを手繰り寄せたしろくんを祝福して送り出してあげました。 現在、しろくんは優しい里親さん、そして先住猫たちと一緒に仲良く幸せに過ごしているようです。これからも、明るく元気なしろくんのまま、幸せな猫生を歩んで行ってほしいものですね。 (まいどなニュース特約・松田 義人)
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