駆け抜ける喜びは健在! BMW 330e プラグインHVへ英国試乗 改良でクラスベストへ
素晴らしい操縦性 駆け抜ける喜びは健在
試乗車は、18インチホイールのMスポーツ。不満ない快適性と、引き締まった姿勢制御を両立していた。低い運転姿勢と、後輪駆動のマナーが相乗し、操縦性は素晴らしい。 ステアリングは正確で鋭く、高解像度。カーブでは、ハイブリッド・システムによる車重増を殆ど感じさせない。330eは、レス・イズ・モアが成り立っていた、古き良き3シリーズへ通じる妙味すらある。 ボディロールは抑制され、安定性も高い。横方向のグリップ力にも優れるが、スタビリティ・コントロールを切れば、リアタイヤがボディを押し出す感覚で満たしてくれる。高速道路での落ち着きにも目を見張る。駆け抜ける喜びは健在だ。 今回の試乗で得られた燃費は、駆動用バッテリーの充電が切れた状態で、平均14.2km/L。より軽量な320iでも、同程度の効率は得られるだろう。だが定期的に充電すれば、日々の通勤でガソリンを燃やす必要性は低いはず。 2024年の改良で、BMW 330eはこのクラスのプラグイン・ハイブリッドの頂点に返り咲いたといえる。電動パワートレインの複雑さは見事に包み隠され、後輪駆動のスポーツサルーンとして積極的に運転を楽しめる。 駆動用バッテリーが充電されていれば、無音で市街地を巡れる。最長80kmも。この体験は、新たな魅力といっても良いだろう。BMWファンに限らず、運転を多少でも楽しみたいとお考えなら、同クラスのイチオシだといっていい。 ◯:運転の魅力を失わず、競争力の高いハイブリッド・システム スポーツサルーンとしての優れた操縦性 △:硬い路面では乗り心地が若干悪い 初期の5シリーズより大きなボディサイズ 選べなくなったディーゼルターボ
BMW 330e Mスポーツ(英国仕様)のスペック
英国価格:5万5255ポンド(約1077万円/試乗車) 全長:4713mm 全幅:1827mm 全高:1440mm 最高速度:230km/h 0-100km/h加速:5.9秒 燃費:90.9-125.0km/L CO2排出量:19-25g/km 車両重量:1770kg パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー+AC同期モーター 使用燃料:ガソリン 駆動用バッテリー:19.5kWh 最高出力:293ps(システム総合) 最大トルク:42.7kg-m(システム総合) ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)
マット・ソーンダース(執筆) 中嶋健治(翻訳)