地元バンク再開直前に強制引退 熊本の55歳元競輪選手が語った“矜持”と妻からの言葉「走りたかった気持ちあるけど」
熊本競輪場が盛り上がり続けるように
熊本生まれ、熊本育ちの礒田さん。地元への愛はあふれ、再びスタートした熊本競輪場と熊本の街がさらに盛り上がることを願っている。 「熊本は食べ物がおいしいし、繁華街もすごく楽しいところ。競輪場に来て、いっぱい応援していただいた後にゆっくりビール飲んで、馬刺しとか食べたら最高だと思います。観光地もいろいろあるので、ぜひ遠方からも旅打ちに来ていただけたら嬉しいですね」 再開の日、盛況の熊本競輪場には観客たちの声が轟いていた。声援は間違いなく、選手たちの背中を押す。公営競技の発展には、ファンの存在が不可欠だ。 「選手にとって励みになる声援をいっぱいいただければ。すごくいい競輪場として続いていくと思います」 終始明るい笑顔が印象的だった礒田さん。満身創痍でも信念である“敢闘精神”を貫き、35年間で2,890レースを力走した男はすがすがしい表情でかつての地元バンクを見つめた。