【ニキビ治療の新しい切り札!?】“イソトレチノイン”の真実を皮膚科医が徹底解説!〈副作用は?効果は?〉
妊活・妊娠中の人の服用は絶対ダメ!
花房火月 理事長 妊娠中の方、そして妊娠を考えている方は絶対に使用できません。イソトレチノインは催奇形性のリスクが懸念されており、胎児の先天性異常や流産、早産などを引き起こす可能性があるからです。かつては服用期間中とその前後6ヵ月は避妊すべきと言われていたのですが、いまではその期間は1ヵ月に改定されました。また授乳中の服用もNG。乳児の骨の形成を妨げる可能性があるためです。
イソトレチノインにはどんな副作用がある?
重度なものから軽度なものまでいくつかあります! 花房火月 理事長 まずもっとも重大な副作用は胎児に対する催奇形性です。中等度のものになると肝機能を示す数値の変化、コレステロールや中性脂肪が高くなる、骨粗鬆症などがあり、軽度なものだと肌の乾燥、目や口など粘膜の乾燥、皮膚の赤みやかゆみ、頭痛、疲労感などが報告されています。イソトレチノインを飲むとハゲるという説は、頭皮が乾燥してカサつくのが原因だと思いますが、まれに休止期脱毛症という薄毛になることがあるのは事実。あと太るという話もあるようですが、医学的には太るという報告はありません。
イソトレチノインは日本で未承認。その理由は?
副作用があるし、命に関わる病気の治療薬ではないから 花房火月 理事長 イソトレチノインは厚生労働省の承認が下りていない医薬品なので、日本では保険適用されず自費になります。なぜ未承認なのかと言われたら、まずは副作用があること、そして命に関わるような病気の薬ではないからでしょうか。美容目的ということで軽視されている面もあると思います。アメリカを始め多くの国ではですでに認可されていますが、日本で保険適用となるにはまだ時間がかかりそうですね。 イラスト/もちづきいずみ 取材・文/穴沢玲子 Edited by 西村 美名子
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