英賃金上昇率、低水準続く－中銀の緩和政策維持に追い風
（ブルームバーグ）： 英国の賃金の増加ペースはこの夏、過去２年余りで最も緩やかだった。インフレ圧力の緩和を示す兆候で、イングランド銀行（英中央銀行）は引き続き11月の追加利下げの軌道にあると考えられる。
英政府統計局（ＯＮＳ）の15日の発表によると、ボーナスを除く週平均賃金は、８月までの３カ月間で前年同期比4.9％増だった。これは2022年４－６月（第２四半期）以来最も低い増加率で、ブルームバーグがエコノミストを対象に行った調査の予想中央値と一致した。民間給与の伸び率は5％から4.8％に鈍化した。
イングランド銀行の政策立案者は、目標とする２％付近でのインフレ率の維持が困難になるような基調的な物価上昇圧力の兆候がないか、賃金の動向を注視している。
賃金の伸び率は依然としてイングランド銀行の許容水準を上回っているが、金利を景気抑制的な領域から動かし始めるには十分鈍化しつつある。イングランド銀行は８月、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）開始以来初めて利下げを実施し、金融市場は来月の追加利下げをほぼ織り込んでいる。
英調査会社キャピタル・エコノミクスの英国担当エコノミスト、アシュリー・ウェブ氏は「８月の賃金上昇率のさらなる低下と、労働市場の緩やかな需給緩和の兆候が引き続き複数見られることから、イングランド銀行が金利を５％から4.75％に引き下げるという見方がさらに強まっている」と述べた。
原題：UK Wage Growth at Two-Year Low Keeps BOE Rate Cut in Sight (1)（抜粋）
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Tom Rees, Philip Aldrick, Irina Anghel
