【2024年・更年期の基礎知識】更年期不調のレベルを『SMIスコア』でセルフチェック。病院に行くべきかどうかの判断基準に
更年期の不調があっても「病院に行くべきかどうか」で悩む人は多いのではないだろうか。そんな時に判断基準になるのが「SMI(簡略更年期指数)」だ。質問に直感的に答え、合計点で不調レベルを把握。婦人科に行くかどうかの目安になる。産婦人科医の吉形玲美さんに解説してもらった。
Q. 更年期の不調を感じています。どの程度の症状なら病院に行くべきですか?
A. 更年期症状のレベルがわかる「SMI(簡略更年期指数)スコア」を参考に 「症状の感じ方には個人差があり、どのタイミングで受診していいのかわからないのは無理もありません。客観的に自分の状態を知る方法として 『SMIスコア(Simplified Menopausal Index/簡略更年期指数)』があります。女性の更年期症状を数値化する手段として、国内の医療機関で広く使われているものです。 婦人科などを受診すると問診票とともに手渡され、直感的に回答して提出。医師がそれを見て、症状を把握するのです。1992年から使われていますが、今ではWebサイトで見られるほか、ページ上で回答ボタンを押し、簡単に結果がわかるサイトもあります。自分でチェックして、ぜひ受診の目安にしましょう」(吉形先生)
【SMI(簡略更年期指数)】で症状のレベルをチェック
【点数の出し方】 下の表の各項目、当てはまる強度の合計点を出す 【強度の目安】 強:日常生活に差し障りがあるほどつらい 中:我慢はできるが、なんとかしたい 弱:症状は感じるが、我慢できる程度 無:ほとんど感じない 《SMIスコア》 上段=症状 下段=強度点数<強/中/弱/無> 【1】顔がほてる < 10/6/3/0 > 【2】汗をかきやすい < 10/6/3/0 > 【3】 腰や手足が冷えやすい < 14/9/5/0 > 【4】 息切れ、動悸がする < 12/8/4/0 > 【5】寝つきが悪い、または眠りが浅い < 14/9/5/0 > 【6】怒りやすく、すぐイライラする < 12/8/4/0 > 【7】くよくよしたり、憂うつになることがある < 7/5/3/0 > 【8】頭痛、めまい、吐き気がよくある < 7/5/3/0 > 【9】 疲れやすい < 7/4/2/0 > 【10】 肩こり、腰痛、手足の痛みがある < 7/5/3/0 > SMIスコア/1992年:小山嵩夫ら 【あなたの更年期症状はどのレベル?】 0~25点:上手に更年期を過ごせている。年に1回は検診を 26~50点:食事、睡眠、運動などに気をつけ、無理のない生活を 51~65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法などを受けよう 66~80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要 81~100点:精密検査を受け、長期的な対応が必要 次回は、「更年期症状は病院に行って治るのか?」という疑問に答えてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子