パチンコ店経営者が語る「ホール経営の壮絶な舞台裏」。店員による“設定漏えい”被害も
そのときの情勢や規則に振り回されるイメージがあるパチンコ業界。パチンコメーカー、パチンコホール、ユーザーと立場は違えど、日々さまざまなことに対応しながら遊技業界を回しているが、特に影響を受けるのはパチンコホールかもしれない。 そんな現代のパチンコホール経営者は、どういった想いでいるのだろうか。たびたび変更される機械スペックや広告規制、そして遊技人口の減少や店舗自体の閉店を多く目にしてきたという、業界歴20年のホール経営者A氏に話を伺った。
スマスロ・スマパチによるホール状況の変化
――機械の規則改正がたびたび行われますが、その中でもここ最近で大きく機械仕様が変わったのはスマスロ、スマパチかと思います。これらが導入され稼働や客層に変化はあったでしょうか。 A氏:スマート系マシンは比較的若い層に人気があると感じますが、うちはビジネス街にある店で、客層は比較的年齢層高めのサラリーマンなのであまり変化はなかったですね。とはいえ、今後の業界を支えてくださる若い方が離れないように、スマート系マシンには今後も期待したいところですね。 ――では、導入する機械の基準や目安を教えてください。 A氏:基本は発売するメーカーごとに、どの台をどのくらい購入するか決めますね。今の機械選定って、メーカーから大まかに年間の発売スケジュールを聞いたうえで、メイン機を購入するまでの流れが決まっているんですよ。これもすべてのメーカーではなく、付き合いが深い大手メーカーがほとんどで……。うちの場合は5~6社くらいかな。 ――その5~6社以外のメーカーさんの機種は、あまり買うことはないのでしょうか。 A氏:メーカーは付き合いのあるホールに優先して販売するので、大きいタイトルを確実に購入するためには、機歴(※)が大切です。普段付き合いがあまりないメーカーが急にヒット機を出す場合もあるので、少しでも関係性を深めるために、そのメーカーの機械を毎回購入することもあります。どの台を購入するかの判断は難しく、導入時買わなかった台が業界的にじわじわ人気が出ることもあって……。一台も導入しなかった機種が人気機種となった結果、中古で一台150万円で購入したこともありました。 ※パチンコ店が過去に導入した機種の履歴や実績のこと。パチンコ店にとって機歴は重要で、メーカーや販売業者との信頼関係を築くうえで役立ち、新台の割り当てや人気機種の確保などに影響を与えることが多い。