妻が「お前のことを風俗と呼ぶ」と罵倒…第一三共元研究員は妻をメタノールで殺害したのか?法廷で語った壮絶“家庭内別居”
「これからお前のことを風俗って呼ぶ」
そして夫婦関係は、さらなる悪化の一途をたどっていく。 2018年、吉田被告は会社から2年間の海外留学を認められた。 容子さんも当時の仕事を退職して、家族3人でアメリカでの生活をスタートさせたものの、事実上の家庭内別居状態だったという。 吉田被告: 育児放棄、性病、梅毒、もっと金を出せ、これからお前のことを風俗って呼ぶ、などと言われた。罵りながら動画撮影したり、ご飯を作らなくなったり、私の洗濯をしなくなったりした。 息子と私を遠ざけようとするようになった。 2020年、アメリカから帰国した家族は東京都内のマンションで生活を始める。 しかし、事実上の家庭内別居状態は続いたままだった。
「容子さんが起きる前に家を出る」
吉田被告によると、帰国後も容子さんは罵倒しながら動画撮影をしたり、吉田被告が触ったところを消毒液で拭いたり、消臭スプレーをかけるなどしていた。 吉田被告: 息子に両親の不仲を見せたくないと、容子さんが起きる前に家を出て、就寝した頃帰宅するという生活を送るようになった。 そして吉田被告は、容子さんに隠れて再び風俗店に通い、店に勤める女性と親密な関係になった。 しかし、これほどまでに悪化した関係でも「離婚を言い出すつもりはなかった」という。 吉田被告: 両親がそろっているのが息子のためでもあると思ったし、私がいなくなればイライラのはけ口が息子に向いてしまうのではと思い、はけ口としてでもそばにいるべきだと思い、離婚は考えなかった。
妻が嘔吐後に寿司など買い出し
そして2022年1月、メタノール中毒で容子さんは死亡した。果たして夫が妻を殺害したのか?もしくは自殺なのか? 検察側の指摘によると、メタノールを摂取した容子さんが嘔吐するなどした後、吉田被告は缶ビールや寿司、唐揚げなどを買いに出かけていた。さらに宅配ピザを注文したり、風俗店の女性とLINEで連絡を取るなどしていたという。 吉田被告: 酒のせいでそうなっているんだろうと思った。息子と過ごせる時間がうれしくて、浮かれてしまって、見て見ぬふりをしようとしたのか、本当のところは分からない。 裁判で終始淡々と質問に答えていた吉田被告だったが、息子に関して問われると、声を震わせながらこう答えた。 吉田被告: 息子から彼が大好きな母親を奪うようなことは絶対しません。そんなことをして、犯罪者の息子にしてしまうような愚かな人間ではありません。息子のもとに駆けつけて、息子を守ることが私の一番の望みです。