[新型カムリ]は優しい顔で復活!? 3代目は最も高級路線な1台だった!! カムリで見る日本の変化
クルマの雰囲気は、その時代を色濃く反映したものだ。平成元年と令和元年では、クルマにどれほどの変化が見えるのか。変わることによって価値を維持し続けたトヨタ カムリを例にとり、カムリの元年モデルを比較しながら、日本の変化を見ていこう。 【画像ギャラリー】クルマは世につれ世はクルマにつれ……日本のセダンの歴史に大きな足跡を残したトヨタ カムリ(16枚) 文:佐々木 亘/写真:TOYOTA
■平成元年モデルは「新しきセダンの肖像」
平成元年(1989年)のカムリは、セリカカムリから数えて3代目。前年にマイナーチェンジを施され、プロミネントシリーズに4ドアハードトップを追加、1.8Lエンジンもハイメカツインカム化されている。 この当時、カムリは5ナンバーセダンである。ボディサイズは全長4,520mm、全幅1,690mm、全高1,395mmで、2,600mmのホイールベース。2.0L・1.8Lのガソリンエンジンと、2.0Lのターボディーゼルが用意されており、トランスミッションも4ATと5MTというのが歴史を感じるところだ。 車両デザインは、曲面を生かそうとしているのがよくわかる。まっすぐに見えるボディだが角は丸く、パネル自体にも上手くアールを付けているので、デザインが柔らかい。6ライトキャビンが高級サルーンを鮮明に印象付け、デジタルメーターが採用されるなど先進性もあった。 経済成長・バブル経済の真っただ中に生まれたカムリは、カムリ史上最も高級な路線にいる1台なのかもしれない。
■令和元年モデルはスポーティに闘うカムリ
令和元年(2019年)のカムリはセリカカムリから数えて10代目。前年に新グレードのWSが追加され、スポーティセダンとしての顔も持つようになった。WSはWorldwide&Sportyの略であり、上質感の上に力強いデザインを融合させたモデルだ。 平成モデルと比べると、カムリはかなり大きくなった。ボディサイズは全長4,910mm、全幅1,840mm、全高1,445mmでホイールベースは2825mm。パワートレインは2.5LダイナミックフォースエンジンにTHS IIを組み合わせる。 運転席ではなくコクピットと呼びたくなる10代目の室内は、高級感は残しつつも前衛的だ。ボディデザインにも、優しさよりは力強さが目立つ。 強まる逆風に立ち向かうように、カムリは令和の時代に強さを身につけた。