「60代女性、夫が購入を即決した耳あな式の補聴器は正解だったのか」補聴器選びの基本を専門家が解説
耳あな型でもお試しができるのか?
当店の場合は、初回来店時に、「耳かけ型」「耳あな型」それぞれのメリット・デメリットをお話して、どちらがいいかご本人や家族と決め、貸し出しをして、試していただきます。 「耳あな型」を試したいとなった場合には、多くの日本人に合うように作った形の耳穴型の補聴器を各メーカーごとにご用意していますので、まずはそれを試してもらい、よさそうだということであれば、次に耳の型取りをしてオーダーメイドで作る段階へ進むケースが多いです。 店舗によっては耳あな型はお試しできないこともありますし、選び方やおすすめの仕方はさまざまですが、ご本人が「これがいい」と納得して決めたのであれば、その選択は間違いではないと思います。
片耳だけの購入で良いのか?
補聴器工業会の調査(2022年)によると、補聴器の両耳装用は43%、片耳57%となっています。最初の1台は片方からというかたも多いようですが、当店では聴力に左右差がなければ、両耳装用をおすすめしています。 眼鏡を作るときに片方だけ作る人はいないように、補聴器も両耳に装着でしたほうがより聞こえ方が自然になり、方向感が分かるなどメリットが大きく、当店のお客さまは8割が両耳装用となっています。 しかし、日中、ベットの上や決まった位置で過ごすことが多いなど、片方だけの装用でも大丈夫なケースもあるので、ご相談しながら決めていくことになります。
補聴器は購入後にも「慣れる」プロセスが大事
補聴器を選ぶときは、「試して納得してから購入する」「ご自身が使いこなせるものを買う」ことが大切だと考えています。相談者さんのご主人は、ご自身が気に入って購入されたのですから、次のステップは「しっかり聞こえるようになること」。そのためにも、定期的にお店に通って適切な聞こえに調整していけるといいですね。
★うぐいす智子先生のワインポイントアドバイス!
「補聴器はさまざまなタイプがあります。自分に合うタイプはメリット・デメリットの両方を検討して選んでくださいね!」 「自分に合うタイプはメリット・デメリットの両方を検討して選ぼう」 取材・文/立花加久 イラスト/奥川りな