教育のプロが断言! 偏差値65以上の“成績トップ層”が実践している「効率的な暗記法」とは
社会科の科目の勉強法は、ひたすら暗記するのみだと思っていませんか? では成績上位1%の生徒たちはどのように社会を勉強しているのでしょうか? そこで今回は、人気教育系インフルエンサーのラオ先生の著書『成績上位1%が実践している勉強法』(イースト・プレス)から、“成績上位がやっている社会の勉強法”というトピックスをご紹介します。 ラオ先生がおすすめする「効率的な暗記」とは? 「頭のいい子には3タイプいる」教育のプロが明かす、偏差値65以上の“成績トップ層”の実態
【社会の勉強習慣】効率的な暗記のサイクルをまわす
×「暗記はしっかりと時間をかけて行う」 ○「ポモドーロテクニック+エビングハウスの忘却曲線」 社会には、どの分野にも暗記しなければならないことがたくさんあります。私がおすすめする暗記法は、(1)短時間で集中的に覚える、(2)1日で一気に覚える、(3)1週間ごとに行う。この3つのサイクルをまわすことです。 (1)短時間で集中的に覚える方法として、「ポモドーロテクニック」があります。これは、短い集中時間を設け、そのあとに小休憩を入れる。これを交互に繰り返すことで効率的な勉強をうながすという手法です。 たとえば江戸時代の文化を学ぶとしましょう。江戸の文化には主に元禄文化と化政文化があります。ポモドーロテクニックを使う場合、まず20 分で元禄文化の文学作品名だけを覚えます。そのあと5分間休憩したのちに、今度は元禄文化の絵画作品名など、それ以外の分野について吸収をしていく……。これをくり返します。 社会では暗記しなければいけないものが日々増えていくうえ、一度に覚えられる量には限界があります。だからこそ、一気にすべてを覚えようとするのではなくて、少ない量を短期集中で覚えることがとても大切になります。 ちなみに、「ポモドーロ」とはイタリア語でトマトのことで、このテクニックはイタリアでよく使われているトマト型のキッチンタイマーから名づけられました。
時間とともに忘れていくのは避けられない
(2)1日で一気に覚える、(3)1週間ごとに行うは、「エビングハウスの忘却曲線」に基づいた覚え方です。エビングハウスの忘却曲線はドイツの心理学者が提唱した、人間の記憶に関する研究結果です。この結果(図を参照)を見ると、人間は「時間が経つほど忘れてしまう」ということがわかります。 《図1の説明》 「節約率」とは、時間の経過とともに「どのくらいの記憶が失われているか」ではなく、その知識を再び学ぶときに「どのくらい時間を節約することができるか」を指します。たとえば、1回目の暗記に20分かかったとしたら、20分後に覚え直す場合は、20分の58%節約できる、つまり8.4分で同じ内容を覚えることができるということです。