ダイエット、健康につながる道路の指標!? ヘルシー・ストリート・インデックスとは
コペンハーゲン(デンマーク): 人と自転車に優しい街
コペンハーゲンは、サイクリングのインフラと都市計画の模範となる都市です。全長400キロメートルを超える自転車レーンが整備され、サイクリングを主要な交通手段として受け入れる文化により、世界で最も自転車に優しい都市の一つにランキングされています。ヘルシー・ストリート・インデックスは、コペンハーゲンの変革において重要な役割を果たし、自転車インフラ、歩行者専用ゾーン、緑地への投資を後押ししました。その結果、住民はよりきれいな空気、交通騒音の軽減、心身共に健康を得ることができたのです。
ボゴタ(コロンビア): 世界最大級の自動車規制
ボゴタでは、世界最大級の自動車通行規制により、歩行者とサイクリスト優先の姿勢とその意義を示しています。毎週日曜日と祝日には朝7時から14時まで120キロメートル以上の道路が車両通行止めとなり、住民は道路を自由に歩いたり、走ったり、自転車に乗ったり、スケート、エアロビクスやダンスのレクリエーションを行うことができます。このイベントは「Ciclovía(シクロヴィア)」と呼ばれ、多くの市民の週末のイベントとして親しまれています。ヘルシー・ストリート・インデックスはシクロヴィアのネ゙ットワークを拡大し、公共スペースの活性化に成功しました。現在も地域コミュニティの意識を育みながら、市民の運動や様々な活動、社会交流を促進しています。
メルボルン(オーストラリア):とにかく歩きやすい街
メルボルンは、歩きやすい街並みづくりを目指し、街を歩行者の楽園へと変貌させました。木々が並ぶ大通りから活気ある小路に至るまで、メルボルンの街路景観は歩行者を優先し、アクティブなライフスタイルを奨励しています。ヘルシー・ストリート・インデックスにより歩道の改良、公共のベンチ、案内標識への投資が促進され、住民は徒歩での移動が増加し、ストレスレベルの低下と、結果としてコミュニティ内でのつながりの強化というメリットも享受しています。
シンガポール: 緑あふれるガーデン・シティ
健康的な都市の世界的リーダーであるシンガポールは、コンパクトな都市構造に緑地を組み込み「ガーデンシティ」と呼ばれています。ヘルシー・ストリート・インデックスに基づき、街路デザインにおいて心身の健康とサステナビリティの促進を優先しています。象徴的なガーデンズ・バイ・ザ・ベイから緑豊かなサザン・リッジズまで、安らぎを与えてくれる緑地が広がります。街路樹や屋上庭園へ投資することは大気を含む環境全体の質を高め、歩行者にも自転車にも優しい通路を創り出しています。シンガポールの魅力的な街路設計は国外からの観光客も呼び寄せ、その変革力は世界のお手本と言えます。
終わりに
コペンハーゲン、ボゴタ、メルボルン、シンガポールの事例からは、「人々の健康」という視点で街路をデザイン、設計することの素晴らしい効果を知ることができました。 ヘルシー・ストリート・インデックスは「人々の健康」を都市設計デザインの最優先事項にする具体的な指針です。この指針に伴い、地域の住民も巻き込みながらアクションを重ねることで、都市はそこに暮らす住民の身体的、精神的、社会的な健康を促進する環境を作ることができます。 世界中が都市化の課題に直面している現代、人々を優先する街路設計は、より健康で、より幸せで、よりサステナブルなコミュニティ、都市の未来を切り開くことができると言えるでしょう。