収賄疑いの鄭前桃園市長の党員権利を3年間停止 民進党が処分/台湾
(台北、桃園中央社)民進党は、収賄などの疑いで勾留された鄭文燦(ていぶんさん)前桃園市長に対し、党員権利を12日から3年間停止する処分を下す。党員の汚職などについて処分を決める党廉政委員会の邱駿彦主任委員が11日、取材に対して明らかにした。 同委員会は8日の臨時会で、鄭氏が勾留されれば即座に3年間の党員権利停止処分を下すと決定していた。鄭氏を巡っては台湾桃園地方法院(地裁)が11日、北部・桃園市の土地開発を巡る腐敗防止(貪汚治罪)条例違反の疑いで勾留と接見禁止を決定した。 鄭氏は6日、桃園地方検察署(地検)から勾留請求を受けたが、同日、桃園地裁の決定により、保釈金500万台湾元(約2450万円)で保釈された。だが桃園地検による抗告申し立てを受け、台湾高等法院(高裁)は8日、地裁の決定を破棄。桃園地裁は9日に再び勾留に関する法廷を開き、保釈金1200万元(約5900万円)での保釈を決めた。検察側は再度抗告を申し立て、高裁は10日に桃園地裁の2度目の決定を破棄していた。 鄭氏は北部・桃園市長を2014年から2期8年務め、市長退任後には蔡英文(さいえいぶん)政権下で約1年4カ月にわたって行政院副院長(副首相)を務めた。頼清徳(らいせいとく)政権発足後の今年6月には台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会の董事長(会長)に就任。だが、収賄容疑が取り沙汰されたのを受けて7日までに辞任を届け出た。 鄭氏はかつては、26年の統一地方選で民進党の有力候補の一人となると目されていた。党関係者は、今回の党員権利停止で、鄭氏が26年の選挙と無縁になるとの宣告が下されたも同然だとの見方を示した。 党廉政委は、一審で有罪判決が言い渡されれば除名処分を下すことになるだろうと説明。一方で一審無罪となれば、党員権利停止を撤回するとしている。 (葉素萍、葉臻/編集:名切千絵)