ほしい新車を手に入れるには「情報戦」がモノを言う! 相変わらずの納期混乱のなか「累計販売台数」も重要な目安だった
累計受注台数も見るべし!
また、コロナ禍前は「人気の度合いを示す」として各メーカーで競い合うように報じていた、「予約受注段階からの累計受注台数」も、納期確認には有効である。例えば、2024年3月に発売となったホンダWR-Vは発売1カ月後に累計受注台数が約1万3000台になったと報じている。1カ月の販売計画が3000台なので、計算するとその時点での納期は約5カ月以上かかると目安を把握することができる。 ホンダの最近の傾向は新型発表もしくは、ティザーキャンペーンを開始してから数カ月後に正式発売しているので、正式発売後にディーラーにて実車を確認したり試乗したりしてから購入判断したいという人には、累計受注台数は貴重なデータとなるだろう。WR-Vは発売前に、ショッピングモールなどで実車展示を行っていたので、予約受注段階でかなりペースよく受注台数を積んでいったようである。 また、トヨタではアルファード&ヴェルファイア、プリウス、ランドクルーザーシリーズなど、とくに人気の高いモデルでは初期配車台数を設定して、その枠を売り切るといったん新規受注停止を行い、極端な納期遅延にさせないように調整しながら、新規受注停止段階でも余裕が出ればスポット的に新たな受注枠を設けるなど細かな需給調整が行われているとも聞いているので、累計受注台数などは出したくても、出せない状況になっているともいえる。同じデータでも見方を変えれば情報収集の有効なツールとなるのである。 現状では、生産計画も含めて短いサイクルで状況変化が起きている。柔軟な情報収集とともに、直接出向かなくてもいいが地元ディーラーへの問い合わせも密に行わないと、なかなか納得できる新車購入ができなくなっているのである。
小林敦志