時速194キロ 「危険運転」認め懲役8年の実刑判決…遺族は量刑に複雑な思いも
日テレNEWS NNN
危険運転か、過失か、注目された裁判の判決です。時速194キロの車が起こした死亡事故で、大分地裁は「危険運転致死罪」を認め、被告の男に懲役8年の実刑判決を言い渡しました。 ◇ 3年前、交通事故で弟を亡くした長文恵さん。判決のあと、こう思いを述べました。
弟を事故で亡くした長文恵さん 「このまま彼の事故を眠らせてしまうというのは、絶対にしたくなかった。速度を出しすぎての死亡事故は、本当になくなってほしい思いが一番」 弟の小柳憲さん(50)は3年前、大分市内の県道で、車で右折しようとしたところ、法定速度の3倍以上にあたる時速194キロの車と衝突し、亡くなりました。衝突の衝撃で、小柳さんのシートベルトはちぎれ、車外に投げ出され、腰から下を粉砕骨折していたということです。
時速194キロで運転・衝突したのは、当時19歳の男。捜査関係者によると、男は「買ったばかりの外車で何キロ出るか試したかった」と供述していたということです。 検察は当初、被告の男を「過失運転致死罪」で起訴。これは、法定刑が懲役7年以下です。しかし、遺族が署名を集めるなどして、起訴内容の変更を求めたところ、法定刑がより重い懲役20年以下の「危険運転致死罪」への変更が認められたのです。
裁判で、検察側は、「現場の道路を194キロで走行した場合、ハンドルの操作は困難になる。 また、被告の運転は他の車両の安全な通行を妨害するものだった」などと主張。「危険運転致死罪」の要件を満たしているとして、懲役12年を求刑していました。 これに対し、弁護側は「車は被告の意図した通りに直進できていた。また、他の車の通行を妨害する積極的な意思もなかった」などと反論。「危険運転致死罪にはあたらず、被告は過失運転致死罪で処罰されるべき」と主張していました。 ◇ 時速194キロの車による死亡事故は「危険運転」か、「過失運転」か…? 28日に行われた判決公判。司法の判断は… 渡辺一平記者(テレビ大分) 「危険運転を認めました。懲役8年の実刑判決を言い渡しました」