森下翔太との対戦で振る舞いが物議も…今季急成長した「巨人の最速157キロ右腕」は
優勝の原動力となった救援陣
CSファイナルステージでDeNAに敗れたが、巨人が今季4年ぶりのリーグ優勝を飾った。その原動力になったのが救援陣だ。 【選手データ】平内龍太 プロフィール・通算成績 救援陣のチーム防御率2.27は阪神と並ぶリーグトップタイ。リーグワーストだった昨年の3.81から大幅に改善された。守護神・大勢は1勝2敗29セーブ5ホールド、防御率0.88をマーク。バルドナード、高梨雄平、船迫大雅、ケラーとセットアッパーたちの活躍も光った。劣勢の展開で登板することが多かったリリーバーも奮闘した。ソフトバンクからトレード移籍で加入した泉圭輔は35試合登板で2勝0敗5セーブ1ホールド、防御率1.93。平内龍太も31試合登板で1勝2敗2ホールド、防御率2.16と存在感を見せた。 ドラフト1位で入団した平内だったが、背水の陣を迎えていた。2022年に自己最多の53試合登板で4勝4敗13ホールド、防御率4.32を記録したが、昨年は11試合登板と激減。ファームでも状態が上がらず苦しいシーズンとなった。背番号11から66に。今季も開幕をファームで迎えたが、5月9日に一軍昇格。同月29日のソフトバンク戦(東京ドーム)で同点の延長12回から登板して1回無失点に抑え、681日ぶりの白星をつかんだ。その後も9試合連続無失点を記録するなど、シーズン終盤まで防御率1点台をキープ。縁の下の力持ちで投手陣を支えた。
直球が進化すれば増す安定感
負けん気の強い投球スタイルが物議を醸したことも。7月31日の阪神戦(甲子園)。7回二死二、三塁のピンチを迎えると、初球の153キロ直球が森下翔太の懐をえぐった。もんどり打ってよけた森下が鋭い眼光でマウンドに視線を送ると、平内も厳しい表情を浮かべた。そして、2球目も内角高めに厳しい153キロ。球場が騒然とした雰囲気に包まれ、阪神ファンから平内にヤジが飛んだ。勝負は遊撃への内野適時安打で森下に軍配が上がった。ギリギリの戦いで熱くなっていたのだろう。だが、マウンド上での立ち振る舞いにSNS上で批判の声が殺到する事態に。精神状態が懸念されたが、8月以降に好投を続けてチームの勝利に貢献した。 リーグ優勝を飾ったが、CSファイナルステージでは登板機会がなかった。3勝3敗で迎えた第6戦は菅野智之が救援要員でベンチ入りしたため、メンバー外に。激闘の末に敗れた試合を見つめるしかなかった。 つかの間の休息を取った後、来季に向けての戦いが始まる。課題は直球の質を磨くことだろう。最速157キロの直球が大きな魅力だが、被打率が3割近くで痛打を浴びるケースが見られた。スプリット、カーブ、スライダーの質は上がっているだけに、空振りを奪える直球に進化すれば安定感がグッと増す。