石破首相がトランプ氏と電話会談、早期の信頼関係構築急ぐ
(ブルームバーグ): 米大統領へのトランプ氏の復帰が確実となったことで、石破茂首相は早速、同氏と電話会談するなど信頼関係の構築を急いでいる。
石破首相は7日、トランプ氏と電話会談して早期に面会することで一致したことを明らかにした。トランプ氏の印象について「非常にフレンドリー」で、「本音で話ができる、そういうような方だ」と語った。
外務省の発表によると、電話会談は午前9時半から約5分間行われた。石破首相が冒頭、トランプの勝利に祝意を伝え、両氏は日米同盟を新たな高みに引き上げるために協力していくことを確認したという。
11日召集の特別国会で再度、首相に指名されれば今月中旬にペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ブラジルでの20カ国・地域(G20)の首脳会議に出席する見通しだ。首相は面会日程は調整中としているが、両会議にあわせて米国を訪れ、トランプ氏と会談する案も含め検討を進める方針とNHKが報じた。
2016年に同氏が初当選した際は当時の安倍晋三首相がニューヨークのトランプタワーを電撃訪問し、個人的な信頼関係構築につなげた。安倍氏は与党が衆院で過半数を制し、4年近く政権を維持する中でトランプ氏との面会に臨んでおり、石破首相とは取り巻く政治状況は違う。
日本経済に影響も
トランプ氏は輸入品への関税を引き上げる政策を掲げており、日本経済や企業活動への悪影響を最小限にするための対応が政府にも求められる。懸案となっている日本製鉄によるUSスチール買収計画を巡っては、トランプ氏は阻止すると公約しており、米政権交代後の焦点の一つとなる。
林芳正官房長官は7日午前の記者会見で、次期米政権の政策による日本への影響について「予断を持ってのコメントは控える」とした上で、「日米同盟は日本の外交・安全保障政策の基軸」であり、「幅広い日米協力を深化させていく」との姿勢を改めて示した。USスチール買収計画については、個別企業の経営に関する事案としたが、投資拡大を含めた経済関係の強化や経済安全保障分野での日米協力は「互いにとって不可欠である」との認識を示した。