城氏が見た森保J初陣「香川ら海外組はウカウカしてはいられない」
南野は元々、技術力のある選手。海外で5シーズンプレーしたことで、フィジカルの強い選手に対しての体の使い方、ボディコントロール力がグレードアップした。後半21分に遠藤からのパスをペナルティーエリア内で受けた南野は、体を反転させ、代表初ゴールを決めた。そのシーンが象徴的。プレーから自信と責任感のようなものが垣間見えた。 左サイドが起点になることが多く、右サイドの堂安は、なかなかボールを持てなかったが、守備面での成長をアピールした。ガンバ大阪時代は、守れない選手だったが、オランダで揉まれて、90分間の役割を覚えたのだろう。ハードワークを厭わず、守備面で、空いたゾーンを埋めるために走った。パナソニックスタジアム吹田のファンが、その堂安の変化を一番感じ取っていたと思う。 ダイレクトプレーを徹底したタテへの速いサッカーを生み出したのは、ボランチ・青山の存在である。彼自身が公言しているが、森保イズムの体現者である。その青山が、コスタリカの攻撃の芽を摘み、ディフェンスラインからのビルドアップの起点となり、タテの効果的なパスを前線に送った。 また遠藤とのコンビ、バランスも抜群だった。遠藤が、前でプレーすると、青山が守備的に下がって構え、2人は、絶妙のバランスをキープしながらゲームを中盤の底からコントロールしていた。 若きアタッカーの積極性とアイデア、連携力に目を奪われたが、本当の森保イズムは、守備面にあったと見ている。ベンチ前に出て、指揮を執る森保監督の動きをチェックしていたが、チームがボールを持ち攻撃を仕掛けている際には、必ず守備陣のポジショニングに目を向けて細かい指示を 与えていた。 コスタリカのカウンターに対するリスクマネジメントの徹底である。 コスタリカのセンターフォーワードに対しては、2人でマークするように注意していた。完封に抑えこんだ、この手堅さが、森保監督のサッカーの特徴でもあり、代表チームを率いる際に必要なコンセプトだろう。 ロシアW杯で、ベスト16に進んだ西野ジャパンの継承も、この守備面に見られた。 センターサークルのちょっと先あたりからプレスをかけて、組織的な守備ブロックを敷き、サイドに追い込み、ボールをそこで奪うというチーム組織が守られていた。 日本人の特徴を最大限に生かそうと考える森保監督のサッカーである。