投票所の張り詰めた雰囲気に抵抗がある──「政治に関心がない」というレッテルに異議、20歳・春名風花の主張
「いまの若い世代こそ、政治への関心は強い」
春名の選挙体験は、幼い頃にさかのぼる。 母親には、弟と一緒によく投票所に連れていかれた。選挙権を得る前から、「(誰に投票するか)自分で決めなさい」と言われ、決めた人物の報告を強いられることもなかったという。投票所には行き慣れていたこともあり、18歳以降、選挙に行くのは自然なことだった。 「弟はいま大学1年生なんですが、今回の衆院選にはかなり注目しているようです。やっぱり、家庭の影響も大きいのかな。逆にご両親が熱心で、『この党のこの人に入れなさい』って言われて、それが嫌だから選挙そのものに行かない、という友達もいます。何も考えていないわけじゃなくて、周囲の目とか、環境の問題で動けない子は多いかもしれない。あとは、中学、高校でどれだけ情報に触れるか、ですよね」 ──選挙権年齢が満18歳に引き下げられた当時、中学生でしたね。 「中学で放送部に所属していたんですが、みんな『早く選挙に行きたいね』って話してました。政治や、海外情勢についても関心が高い人が集まっていたんです。生徒会も、学内に自動販売機を設置したりとか、生徒の要望を形にしていました。学校の環境はとても大事だと思います。情報が限定されたり、話し合う習慣がなかったりすると、やっぱりどうしても政治リテラシーが身につかないままで終わってしまいますから」
──いまの若い世代は、政治に関心があるといえるでしょうか? 「コロナもありますし、いまの若い世代こそ、政治への関心は強いと思いますよ。例えば、去年はやった『密ですゲーム』とか、 YouTuber が発信する内容とか、話題に上るだけでも、政治についての関心だといえると思うんですよ。8月に行われた横浜市長選挙の時も、別の街に暮らしている友達から、『ふーちゃん、ちょっと、カジノどう思う?』って聞かれたこともありますし。だけど私たちの世代って、個人主義というか、関心のある・なしについて、あまりこだわることはないんですよね。意見が違っても、私は私、あなたはあなただよね、ってそれぞれの意見を尊重して付き合っていると思います」