古い写真は貴重 地元追うラジオ報道マンに資料提供続々
古い写真は貴重 地元追うラジオ報道マンに資料提供続々 THEPAGE大阪
「地元のことは調べつくす」と大阪市東住吉区を中心に郷土の歴史を調べているラジオ大阪報道部スタッフの吉村直樹さん(68)。8月にTHE PAGE大阪戦後70年特集で吉村さんのことを取り上げ情報提供を呼びかけたところ、古い写真資料が市民らから提供された。吉村さんは「古いアルバムなどでも、そこに写っている家などが貴重なものなので、ぜひ今後も提供して頂ければ」と話している。
処分逃れた古いアルバムに甲子園球場の写真など
吉村さんは長年、ラジオ報道の仕事に携わり、最近では地元の歴史についても調べている。1945年7月に大阪市東住吉区田辺に落とされた「模擬原爆」についても、地元で当時の証言を得るなどの活動を続け、多くのマスコミにも取り上げられるなどしている。 そこで、最近では写真などの情報提供も多くなってきており、先日、当サイトの中で情報提供を呼びかけたところ、「家にあった親類の古いアルバムを処分しようと思ったけど、もしよかったら」と同区内の住民から提供があったという。 吉村さんによると、昭和初期または戦中などはカメラを持っているというだけでも非常に珍しく、ヘタをしたらカメラを持っているだけでスパイ扱いされたり、検閲されることもあったと思われるという。また、フィルム自体も貴重だったことを考えるとかなり珍しいという。
古い家族写真でも貴重な歴史の証言者に
写真を確認したところ、防毒マスクをしたり、空襲にあった際に消火活動を行うなどの防災訓練の様子。出征する人を送り出すものなど、町の歴史を伝える多数の点数のものがあった。 中には、自宅を新築した際に撮ったと思われる写真の中に、記された年代が正しければ、まだ開通したばかりの近鉄南大阪線車両が一緒に写っており、吉村さんは「こうした写真に歴史を知るヒントがたくさんある」と語る。 また「最近でも写真提供を呼びかけても『ちょっと前やったらあったけどな』『おばあちゃんが亡くなった時に捨ててしまった』という声を聞くんです。ただ、そうした家族の写真の中にも、当時の街の様子を写したものはたくさんあるので、ぜひ提供いただけたら幸いです」と吉村さんは熱く語る。 今回提供された写真は、街の歴史などを調べている府立大学の教授に提供するという。家にあるなにげない写真が、郷土史などの本に写っていない貴重なものを写し出している「歴史の証言者」となる可能性もある。あなたの家にも、こうした古い写真が眠っているのではないだろうか。 吉村さんは今後も情報提供を呼びかけていくという。問い合わせ先はnaokiy@m3.kcn.ne.jpまで。