日本でお払い箱になってもメジャーでは輝く人もいる! 巨人OBの上原浩治と岡島秀樹の成功例を学んでほしいね【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
「ゴロキング」松井も泣かされたMLB超一流投手の「動くボール」
上原は34歳になるシーズンにMLBへ移籍。13年にはレッドソックスで胴上げ投手となった[写真=Getty Images]
俺たちの現役時代よりもはるかに日本の野球はレベルが上がった。いまや「日本人メジャー・リーガー」と声を大にして叫んでも、それほど珍しい存在ではなくなったからね。ここ10数年の間の日本野球の進化には目覚ましいものがあるよ。 1995年に野茂英雄がドジャースへ入団してから、日本人にもメジャーへの扉が開かれたからね。2001年にはイチローが、ポスティングの制度によって、マリナーズへ移籍した。03年には松井秀喜が、巨人からFAによって、ヤンキースへ移籍している。 メジャーの一員となって、ある程度の期間活躍できた日本人選手は野茂を筆頭にイチローと松井の3人くらいではないかと思う。この3人は海を渡った男たちの中でも、立派な成功例と言うことができるのではないだろうか。 俺は松井がヤンキースへ移籍した当時、2月半ばにフロリダ州タンパで行われているスプリング・キャンプを視察したことがある。 松井が俺に苦々しい表情で語っていた言葉を思い出すよ。 「ホリさん、メジャーのピッチャーは背も高くて、腕も長いし、手もデカいんですよ。だから、日本とは違い、どこからボールが出てきて、どう曲がるのかも想像できないんです。しかも曲がりが大きくて、鋭いんですから」 日本ではヤンキースへ移籍する前年の02年に50本塁打と107打点を叩き出して、2冠を獲得していた松井でさえ泣きを入れてくるくらいだからね。生半可な気持ちでメジャーへ行くことは許されないと、俺もあらためて思ったものだよ。 移籍1年目の5月くらいにスランプへ陥り・・・
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週刊ベースボール