【伝説のファンドマネジャー】ピーター・リンチいわく「株を買う時には、電子レンジを買う時と同じくらいの努力をするべき」…その真意とは?【株式投資の金言】
巷に投資に関する情報が溢れる今、参考にしたいのが「相場の達人」の言葉。本記事では『株式投資 100の金言』(さくら舎)から一部抜粋し、著者の〈桑原晃弥氏〉が、ピーター・リンチやジム・ロジャーズの金言を基に「投資する株を選ぶときに大切にすべきこと」をご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
「株を買う時には、電子レンジを買う時と同じくらいの努力をすればよい」
フィデリティのマゼラン・ファンドの資産を在任中の13年間で700倍へと成長させた伝説のファンドマネジャー、ピーター・リンチが一般投資家に言っているのは「知っているものに投資すべき」です。 リンチによると、一般投資家は自分がよく知っている企業や、普段利用しているような企業ではなく、あまり聞いたこともない、事業内容も理解できないような企業に投資したがると言いますが、そこに第一の間違いがあります。 よく知らない企業に、ろくに調べもしないで大切なお金を投資してしまう。これでは儲かるはずがありません。では、こうした人たちが電子レンジや車を買う時に同じように聞いたこともない企業の製品を調べもせずに買っているのかというと、そうではありません。 たとえば、販売店をいくつも見て歩いて、店員の説明を聞き、さらにネットでの口コミを読み、価格比較も十分に行い、家族がいれば家族とも相談して、「これ」と決めて初めて買う決断をします。 ところが、対象が株式投資となると、「高価な買い物」で、かつ「相応のリスクがある」にもかかわらず、十分な調査もしないで買ってしまいます。 年次報告書を読むこともありません。電子レンジを買って大失敗したという話はあまり聞きませんが、株で失敗する人が多いのは最低限の労力をかけていないからだというのがリンチの教えです。
「I thinkではなく、I knowなのだ」
「世界三大投資家」の1人、ジム・ロジャーズの投資に対する基本姿勢は「投資をするのなら完全に理解しているものに投資する」です。 ロジャーズは昔、ナミビアで妻にダイヤモンドをプレゼントしたことがあります。7万ドルの価値があるといわれたものを、500ドルにまで値切って手に入れています。「やった、大成功だ。ダイヤモンドの投資でも、私はうまくやった」と喜びますが、それを見たタンザニアのダイヤモンド商人からただのガラス玉だと教えられます。 ロジャーズはダイヤモンドの相場はよく知っていましたが、肝心の「本物かどうか」を見極める眼力は持っていなかったのです。 投資をするにあたり、多くの人は「投資をする価値があると思う」「この企業の株価はきっと上がるはずだ」というレベルで決断します。 しかし、ロジャーズはそれではダメで、「私はこの企業には素晴らしい価値があることを知っている」「私はこの企業が成長し株価が上がることを知っている」と言い切れるまでに徹底して調べ抜き、そして確信を持ったうえで投資することが必要だと考えていました。 ここまでの調査は難しくとも、「上がるらしい」「きっと上がるはずだ」くらいでは簡単には勝てないのが投資の世界なのです。 桑原晃弥 経済・経営ジャーナリスト ※本記事は『株式投資 100の金言』(さくら舎)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
桑原 晃弥
【関連記事】
- 「新NISAなんてやるんじゃなかった…」老後資金不足で投資を始めた年金月13万円・元会社員65歳がスマホを握りしめ「後悔に震えた」ワケ【FPの助言】
- 日本株で勝つための銘柄選び…今から「PBR1倍割れ銘柄」を仕込むことが利益につながるワケ【経済評論家が解説】
- 「早く資産を増やしたい」…インデックスでも米国株でも「勝てなかった」投資家が3年9ヵ月で5,975万円稼いだ〈とっておきの投資術〉とは
- 株式投資の転換期…投資のプロが「過去10年と逆のことをやるときが来た」という理由
- 尊敬する父の「65歳の誕生日&定年退職」を祝うため帰省した31歳長男…父の「退職金2,500万円」の使い道に愕然「父さん、目を覚まして」【CFPの助言】