若い世代は農業を目指すのか 研修事業者の申し込みが低調 資材高騰も背景か
中国放送
高齢化で農家が減る中、農家を目指す若者も減っています。多くの農家を輩出して来た広島市の研修事業も、来年度の応募者が低調です。広島市は資材高騰の影響もあるとみています。 【写真を見る】若い世代は農業を目指すのか 研修事業者の申し込みが低調 資材高騰も背景か 広島市の外郭団体「広島市農林水産振興センター」です。 事業の一つが「ひろしま活力農業経営者育成事業」=通称「活力農業」です。 池田茂 課長 「今のところ、応募の方がいらっしゃらないという状況で、少し心配しているんですけど」 ハウスの中では1年目の研修生が小松菜を収穫していました。「活力農業」は、未経験者でも2年間の研修で自営農家になれるのが売りで、輩出した農家は51人を数えます。 ところが最近、応募者が減っています。募集中の来年度研修生は、募集開始から1か月半が経っても応募ゼロでした。 研修1年目 島本薫 さん(31) 「生活が安定しない面があるとか、そういう不安からして農業っていうのは、ちょっととっつきにくいのかなって思います」 一番の不安要素が資材高騰です。 池田茂 課長 「やっぱり近年の資材高騰・物価高騰といったところも加わって、なかなか新規就農のハードルが高くなっているというふうに感じられているんじゃないかと」 広島市も、手をこまねいているわけではありません。「活力農業」では、研修終了後すぐに就農できるように市が農地をあっせんし、ハウスの建設も費用の半額を補助します。研修生は、就農後残り半額をローンで払いますが、資材高騰で建設費もかさみ、支払い額が年間200万円にふくらんでしまいました。 そこで市では今年度から支払額を引き下げ、100万円の定額制にしました。ただ、せっかくの見直しも問い合わせはありませんでした。 池田茂 課長 「まだ見直し内容について十分に知られていないと。知っていただければですね、しっかり興味を持っていただけるのではないかと」 PR活動もしています。研修2年目の 齊藤晋 さんは、山形県から移住してきました。市は6年前から東京や大阪で開かれる就農セミナーに出展していて、齊藤さんとの出会いもこのセミナーでした。