西村ゆか、摂食障害や毒親との確執…「しんどさ」を抱えてきたからこそ伝えたいこと
論破王として有名なひろゆきさん(西村博之氏)を夫に持つ西村ゆかさん。X(旧Twitter)などで垣間見えるユーモアのセンス、小気味よい語り口、そして独自の視点にはファンも多い。新刊『転んで起きて』では、ゆかさんが今まであまり語ってこなかった、自らの生い立ちについても触れられている。 【写真】「ひろゆきの妻」が夫に「なぜ炎上させるのか」聞いたら…夫の想外の答えとは ゆかさんが日々感じたあれこれを、赴くままに綴っていただいている本連載。今回のテーマは『転んで起きて』を出版してから感じていることについて
細かく覚えていた過去が役に立った
今年の2月に、自分の半生を綴った著書『転んで起きて』を出した。以前『街録ch』という動画番組に出演して、自分の生い立ちから現在までを語ったことが書籍化のキッカケとなったのだが、出版から3ヶ月以上経った今でも、ありがたいことに様々な感想の声が届く。 今回出した本は「聞き書き」の形で作られている。60時間を超えるインタビューがあり、その音声を元に編集とライターさんに原稿を書いてもらい、それを確認しつつ、さらに私が加筆・修正を加える形で本が出来上がった。 そして、書籍発売のタイミングで、小児精神科医の内田舞先生と、新生児科医・小児科医の今西洋介先生と鼎談する機会もいただいた。自分の過去や人生について深く話し、専門家から意見をもらうことも中々ないので、貴重な体験をさせていただいたことに感謝している。 本を読んでくれた方から「自分をさらけ出すことは、大変だったのでは?」という質問を多くいただいた。自分を振り返り、当時の出来事を深く掘り下げて感情を再評価することは不思議と苦痛ではなく、むしろ自然というか必要なプロセスであるかのように、絶え間なく言葉が出てきた。なぜこんなにも自分の身に起きた出来事を細かく記憶しているのだろう? と昔から不思議だったのだが、ようやくそれが役に立つタイミングがやってきたわけだ。 「60時間を超えるインタビュー」と先ほど書いたが、週に1度、多い時は3度、2時間から3時間にかけて個人的な事柄について語る機会というのは中々ない。まるでカウンセリング、というかそれ以上に濃密な時間だった。共に本を作り上げた相手と良い信頼関係を築けたことも大きく影響している。というわけで、恵まれた環境で心おきなく自分の胸の内を語り尽くした私は、簡単に言うと、「非常にスッキリ、色んなことにふっきれてしまった」のだ。 しかし、自分自身は楽になったものの、本を読んでくれた方から頂く声を聞くと、改めて、多くの人が親子や夫婦関係などをはじめとする、さまざまな対人関係の悩みを抱えているのだなぁと実感する。