「インドは次の中国にはなれない」…「第三世界のリーダー」を目論むインドが”これから急失速する”納得の理由
2024年7月10日、日経平均株価は史上最高値の4万2224円2銭を記録した。その一方で、8月には過去最大の暴落幅を記録し、株価乱高下の時代に突入している。インフレ時代の今、自分の資産を守り抜いていくために私たちはどのような対策をすべきなのか。NVIDIA急成長の背景や新NISAとの向き合い方を見直しながら、日本経済の未来について考えていかなくてはならない。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では世界的経済アナリストのエミン・ユルマズ氏と第一生命経済研究所の永濱利廣氏が語る日本経済復活のシナリオを、『「エブリシング・バブル」リスクの深層』より一部抜粋・再編集してお届けする。 『「エブリシング・バブル」リスクの深層』連載第41回 『アメリカを支える先端企業が中国人を大量解雇…日本人の採用を進める「衝撃の背景」とは』より続く
インドは世界の工場になりえるのか
エミン:エミン・ユルマズ。トルコ出身のエコノミスト・グローバルストラテジスト。レディーバードキャピタル代表。1996年に国際生物学オリンピック優勝。1997年に日本に留学し東京大学理科一類合格、工学部卒業。同大学院にて生命工学修士取得。2006年野村證券に入社し、M&Aアドバイザリー業務に携わった。現在各種メディアに出演しているほか、全国のセミナーに登壇。 エミン:米中分断でこれからインドの時代が来る、という予想を目にします。インド株投資をすすめる人も多い。実際に私も2018年からインド株投資の魅力を主張してきました。ただ、私は「次の中国」はインドではないと思います。 まず一つ目の理由として、中国の場合はよくも悪くも政府が決めたことに国民が従います。昔の日本や韓国も同じです。ただ、インドは上が決めたことに黙って従う国ではありません。 インドは中国と違い、民主主義国家です。州ごとに自主性があり、さまざまな民族がいて、宗教的な分断も存在します。非常に多様性のある国で、中国のようにトップダウンで物事が進む国ではありません。 もう一つの理由は、インフラの問題です。たとえば半導体をつくるにはきれいな水が必要ですが、それはインドに一番足りないもの。 こうしたことを考えると、中国の代わりにインドが世界の工場役をやるのは、現状ではまだまだハードルが高いと思います。
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