《最新版・切らない美容医療》ベテラン美容外科医が自身で効果を体感したシワ・たるみ改善
満足度の高い治療は医師次第
患者1人あたりの治療時間が短いことは、医院の経営面から見ても予約が増やせるというメリットがありそうだが、治療に対する“満足度”が得られないことも。 「同じような仕上がりでも、満足される方もいれば、微細な肌の凹凸が気になるとおっしゃる方もいます。満足できる治療にするためには、医師との意思疎通が大切になります。どうしたいかを医師に把握してもらい、そのためにどんな治療を選ぶべきかを見極められなければ納得のいくものにはなりません」 医院によっては、医師とはあまり話をせず、ほぼカウンセラーの説明だけで進んでしまうことも珍しくはない。 「満足のいく注入治療は医師次第、といえるでしょう。やはり医師の知識や経験、技術が非常に大切。 例えばボトックス注射では、一気に強く打つと、下の筋肉まで動かなくなることもある。浅く広く打つ微妙なさじ加減は医師の腕次第です。しわの原因がどの筋肉でどう動いてどこにあるか深く理解している医師を選ぶべきだと思います」 よい医師選びについては形成外科学会認定医の資格を取っていて、医院も長く営業しているようなところ、というのも目安だと話す。ちなみに、征矢野先生は自身の身体でも効果を実験的に試しているのだとか。 「経験を積むには治療回数をこなしながら学ぶことが一番ですが、私は自分自身の腕の内側に、各種製剤を打ってどのように変化していくか経過や効果を見ます。新しい製剤に出合うたびに欠かさず確かめて比較します。 鏡を見ながら、ほうれい線や下眼瞼(かがんけん)のくぼみにコラーゲンを自分で打ってみたりもしています」 手軽になった「切らない美容医療」だが、満足のいく治療のためにも親身になって寄り添ってくれる医師と出会いたい! 教えてくれたのは……神田美容外科形成外科医院院長 征矢野進一先生●東京大学医学部卒業後、大学病院や総合病院で形成外科、美容外科を中心に専門領域を深める。1988年、神田駅に『神田美容外科形成外科医院』を開院。35年の実績で多くの患者から信頼を得ている。 取材・文/千羽ひとみ