いつ・どこで・どれくらいやるかを決めれば、習慣化はうまくいく。(滝川徹 時短コンサルタント)
■取り組む時間帯を決めると、さらに迷いがなくなる
次は2.「やる時間帯を決める」についてです。取り組む時間帯を決めることも習慣化には有効です。私の場合は会社の仕事をはじめる前に執筆すると決めています。やる場所だけでなく、取り組む時間帯とセットにすることでさらに「迷い」をなくすことができます。 たとえば「今日どこかの時間でやろう」と思うと迷いが生まれます。日中忙しくしていると気づけば夕方になっていて「明日やろう」となってしまう。会社員であれば予期せぬ残業になり、時間が取れない。そんな時も出てきます。毎日確実に取り組みたいなら「いつ取り組むか」を決めてしまうのがベストです。 会社員なら、始業前が一番おすすめです。理由は簡単。この時間帯が一番確実に取り組めるからです。先ほども書きましたが夜の時間帯は急な仕事や用事が入ったりするリスクがあります。始業前の朝早い時間帯なら他人から連絡が来て取り組めないというリスクがなくなり、より確実に取り組めるのです。 夜の時間帯は疲れを感じる人も多いはずです。そうすると「今日はやる気が湧かないから明日にしよう」となりがちです。朝の時間帯なら気力も十分あります。夜の時間帯よりも取り組める確率は圧倒的に高くなります。
■毎日15分でも何かを続ける
最後に3.「やる時間を決める」についてです。毎日どれだけの時間(分数等)取り組むか。これを決めるのも有効です。心理的ハードルを下げることができるからです。どういうことか、説明しましょう。 実は現在、私は毎日小説を15分執筆しています。なぜたった15分なのか? 今の私には、それ以上の時間取り組もうとすると着手することがむずかしくなるからです。どういうことかというと、今の私にとって小説を書くことは実現したいこと・やりたいことではありますが、一方で、優先順位がものすごく低いのです。 1日に使える時間は限られていて、自分のキャリアを考えると、今はビジネス書を書くことなどにもっと時間を使いたいのです。しかもビジネス書と違い、小説は今まで書いたことがないので、当然思うように書けません。そうすると余計取り組みにくくなります。こうした理由から、小説を書くことは今の私にとっては心理的ハードルがとても高くなっているのです。 ではどうすれば小説に取り組めるのか。その答えが「毎日15分だけ取り組む」だったわけです。通常私は何かに取り組む時に、30分を一つの単位としています。しかし小説の場合、30分でもキツいと感じました。毎日ムリなく取り組める単位はどれくらいだろう。そう考えた時に15分という結論に達したのです。 ここでお伝えしたいことは、取り組む時間を調整することで心理的ハードルを下げることができるということです。私の場合、小説を書くという行為を続けるのに30分は厳しいと感じましたが、15分ならなんとかできそうと思えました。心理的ハードルが下がるからです。 このように、習慣化したいことがあるなら、ムリなく毎日取り組める時間を設定することが大切です。取り組む時間は30分を基準としながら、このように自分のモチベーションや優先度合いに応じて決めるといいでしょう。 なぜ30分なのか。科学的根拠などももちろんありますが、単純に30分なら「できそう」と思えるからです。そして30分なら、一定の成果も見込める。そう感じる人は多いのではないでしょうか。 感覚的な話にもなりますが、多くの人にとって30分が取り組みやすく、成果も期待できる時間数だと私は思うのです。キリもいいですよね。これが習慣化の3つめの要件になります。