2023年の一大トレンド、ブランド IP のエンターテイメント活用。成功を再現できるマーケターの思考とは?
記事のポイント 昨年、バービーを始め、ナイキ、スーパーマリオブラザーズ、テトリスなど、さまざまなブランドや商品を題材にした映画が公開され、ブランドの知的財産(IP)を利用したエンターテイメントがトレンドとなった。 マテル社の取り組みを例に取ると、ブランドの成功には時間と長期的な投資が必要であり、短期的な思考ではなかなか成功しづらいことがわかる。 ブランドIPを成功させるには、ブランドが何を象徴し、どんなストーリーをインスパイアするかを理解し、それに応じたコンテンツを提供する必要がある。 バービー(Barbie)は昨年、全世界で紛うことなきセンセーションを巻き起こした。映画の興行で14億ドル(約2030億円)という高収益を叩き出しただけでなく、ブランドライセンス契約を次から次へと結び、巷のどこを見回してもバービーがいる状態にした。そして当然、その大成功に触発されて他社のマーケター勢も、「うちのバービー・ムーブメントはどうなっているんだ?」と、エージェンシー幹部らを急かし続けている。 バービーだけではない。ナイキ(Nike)や任天堂のスーパーマリオブラザーズ(Super Mario Brothers)、チートス(Cheetos)のフレーミングホット(Flamin’ Hot)、ビーニーベイビーズ(Beanie Babies)、テトリス(Tetris)、ブラックベリー(Blackberry)といったブランド/商品を題材にした、あるいはそれらにインスパイアされた映画が作年、続々と公開された事実からも明らかなとおり、ブランドの知的財産(IP)を利用したエンターテイメントの創造は2023年の一大トレンドだった。 マーケターやエージェンシー幹部らは依然、自社あるいはクライントのブランドをブレイクさせ、カルチャーの一部にする術を模索しており、この流れは今年2024年も続くと思われる。しかしその一方で、バービーが巻き起こした社会現象的ムーブメントは、間もなく一般化することはなく、あくまで例外的存在に留まる可能性も高い。