【天皇賞(秋)】前走国内GⅠ組が圧倒で良馬場ならドウデュース リバティアイランドは鬼門データあり
リバティアイランドの気になるデータ
クラシックを制していない馬もレーベンスティール、ベラジオオペラ、ダノンベルーガ、ジャスティンパレス、ノースブリッジなど多彩。さすがは天皇賞。3歳ジャスティンミラノの名こそないが、絢爛豪華だ。 前走クラスを見ると、前走国内GⅠは【6-7-4-19】勝率16.7%、複勝率47.2%。トライアルを経由しない流れは古馬も同じ。しかし、前走海外は【0-0-0-5】で春シーズンの遠征から時間をかけて立て直すという臨戦過程は結果が出ていない。ドバイから約7カ月ぶりの出走となるリバティアイランドには気になるデータだ。最近ではルガルが約半年の休み明けからスプリンターズSを制しており、一概にはいえないところだが、長期休養明け、ぶっつけのGⅠで一発回答は簡単ではない。 前走GⅠの内訳はマイルに近い2000mという見立ての通り、前走安田記念が【2-2-1-3】勝率25.0%、複勝率62.5%と強い。ただし、今年は不在。ダービー組もいないので、前走宝塚記念【2-3-2-11】勝率11.1%、複勝率38.9%に注目。着順内訳は1、3着馬【1-2-1-2】(2着馬出走なし)、6~9着【1-1-0-1】。6着ドウデュースにとって悲観材料ではない。 ドウデュースは良馬場以外だとフランス遠征を含め、【0-0-0-3】、良馬場は【6-1-1-3】。後者で複勝圏を外したのは昨年の天皇賞(秋)、ジャパンCとドバイターフだけ。4歳秋以降に集まっているのは気になるものの、良馬場で迎えられれば、不安はなさそうだ。 宝塚記念2着ソールオリエンスは対照的で良馬場以外【1-1-0-1】、良馬場【2-2-1-2】。重馬場のGⅠで1、2着と道悪巧者であり、天候悪化で急浮上しそうだ。この2頭は馬場状態によって、どちらかが好走するというイメージでいい。 前走GⅡ組は札幌記念【1-2-1-17】勝率4.8%、複勝率19.0%から確認していく。2着以内なら【1-2-1-3】で、年齢的には苦しいが、6歳ノースブリッジは甘くみてはいけない。3代母モガミヒメはローレルゲレイロ、ディープボンドが出た牝系で、年齢を重ねても活力は落ちない。ノースブリッジも札幌記念で完成した印象がある。 毎日王冠【1-1-4-34】勝率2.5%、複勝率15.0%は1着【0-0-0-3】、2、3着【1-0-3-7】。逃げて2着に粘ったホウオウビスケッツは展開のカギを握る。オールカマーは【1-0-0-17】で中山から東京替わりでつながりは薄い。勝ったのは18年レイデオロ。オールカマーと連勝を飾った。 レーベンスティールには厳しいデータだが、東京では鮮やかだったエプソムC勝ちがある。走破時計は1:44.7。セントライト記念、オールカマー2:11.4、2:11.8で速い時計は苦にしない。母の父トウカイテイオー、その父シンボリルドルフは天皇賞(秋)を勝てなかった。昭和の因縁が令和に甦る。勝って断ち切ることができるか。中高年の競馬ファンにはたまらない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳