【パリ五輪】好成績にも喜べないチームコリア…金メダリストの暴露と体育会長の自画自賛
海外企業よりも不正確な大韓体育会の代表チーム成績予想
2024年パリ五輪が中盤を超えた中、韓国代表選手団は総合6位(金11・銀8・銅7・金メダル順・現地時間5日現在)を走っている。当初、大韓体育会が予想した金メダル(5個)よりすでに2倍以上多い金メダルを取っており、総合順位も当初の予想(15位)より高い位置にある。五輪開幕前に韓国の総合10位(金9・銀4・銅13)を予測した米国のデータ分析会社は、予想順位を総合8位(金13・銀9・銅10)に引き上げた。 今回のパリ五輪で韓国はお家芸のアーチェリーで金メダル5個を総なめした。射撃とフェンシングでもそれぞれ金メダル3個と金メダル2個を獲得するなど、いわゆる「銃、弓、剣」から取ったメダルだけで16個に達する。これを基に韓国は計26個のメダルを手に入れた。歴代最多の金メダルを記録したロンドン大会(金13・銀9・銅9)に金メダル2個の差で迫っている。 米国のデータ分析会社「グレースノート」は4日、韓国のパリ五輪予想順位を8位(金13・銀9・銅10)に上方修正した。メダル数だけで見ると、ロンドン大会(31個)を超える可能性もあるとみている。グレースノートは大会開幕前(23日)には韓国が10位(金9・銀4・銅13)を記録すると見通していた。 今後、韓国はいくつのメダルを獲得できるだろうか。残りの期間、韓国がメダルを狙う種目としてはテコンドー、近代五種、ブレイキン、走り高跳び、女子ゴルフ、スポーツクライミング、重量挙げなどが挙げられる。特に、先の東京五輪で金メダルを一つも獲得できず、宗主国の体面を損なったテコンドーで良い活躍を見せれば、期待以上の成果を出すこともできる。また、思いもよらなかった種目でメダルが出る可能性もある。 選手団の活躍とは裏腹に、大韓体育会の戦力分析能力については疑問の声があがっている。大韓体育会は今大会を控えて、金メダル5個に総合15位を予想した。五輪戦略を総括する大韓体育会が、メダル予測の正確さにおいて海外企業よりも劣っていたわけだ。 イ・ギフン大韓体育会長は予想より多く獲得した金メダルについて、1日に「海兵隊訓練のおかげで『ワンチームコリア』文化ができた」と自評したが、その4日後、28年ぶりにバドミントン女子シングルスで金メダルを獲得したアン・セヨン(22)は覚悟を決めたかのように、これまで積もっていた大韓バドミントン協会の選手管理システムとトレーニング方式の非合理性について批判した。選手と協会・代表チーム間の軋轢(あつれき)が金メダル獲得直後のインタビューで明らかになったのだ。 東京五輪の時から「エリート体育危機」を強調してきた大韓体育会が、このようなフレームを強化するために成績予想を過度に低く見積もったのではないかという指摘もある。実際、文化体育観光部は今大会の五輪金メダルを8~9個と予想し、大韓体育会が提示した予想値(5個)に強い疑問を呈したという。文化体育観光部と大韓体育会は現在、激しく対立している。 本人は否定しているものの、イ・ギフン会長をめぐっては、体育団体長再任制限の廃止を進めるなど長期の権力を準備しているのではないかという疑惑が持ち上がっている。このために体育界の危機を強調する過程で、実際の結果とかけ離れた見通しが出てきたのではないかとまで言われている。東京大会の時のように成績が出なかった場合に予想される非難を防ぐと共に、自画自賛を並べるための前置きだったということだ。 選手たちの長年の血と汗と涙のおかげで、韓国は再びスポーツ強国の地位を取り戻している。しかし、アン・セヨンの発言からも分かるように、大韓体育会と協会の大会前後の姿は、あらゆる疑問を残している。 イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )