《ブラジル》救急車使って麻薬を輸送=リオの大規模捜査で摘発
リオ市警の犯罪組織・マネーロンダリング対策課(DCOC―LD)が6日、麻薬密売に関連した資金洗浄犯罪の摘発作戦を開始し、リオ州、サンパウロ州、パラナ州、アマゾナス州、マット・グロッソ州の33カ所に対して捜索・押収令状を執行した。5州の市警が協力するこの捜査は、救急車で麻薬輸送していた犯罪ネットワーク解体を目的としていると同日付G1などが報じた。 同作戦の主な標的は医療業界の実業家アレックス・エヴァンジェリスタ・メンデス・シルバ容疑者で、麻薬販売による利益を隠蔽するために自身の会社を利用して資金洗浄した疑いが持たれている。 警察は2021年6月30日未明、バイシャーダ・フルミネンセ地区プレジデンテ・ドゥトラ幹線道路で、リオ市南地区のファヴェーラ(貧民街)に向かっていた470包(約0・5トン)のマリファナを積んだ同氏所有の車両を摘発した。 車内には患者搬送サービス会社の制服を着た男性が乗っており、護衛として使用されていた乗用車にも2人の男性が乗っていた。この2台の車両はともに押収され、全員が麻薬密売および麻薬密売の共謀の現行犯で逮捕された。 捜査によると乗用車の助手席に乗っていたアレックス容疑者は一般サービス、患者の救助・搬送、薬物中毒とアルコール依存症に特化したリハビリ・クリニックの三つの医療関連会社を所有しており、同乗用車は前日29日の午前8時にサンパウロ州グアルーリョス国際空港でレンタルされたものだった。 捜査によればアレックス容疑者は2020~21年にかけて約650万レアル(約1億6550万円)の資金を動かしており、これは彼の資産および経済活動と整合性がない額であることが示されている。 アレックス容疑者とつながりのある企業および個人のネットワークが複雑な資金洗浄スキームを形成しており、ブラジル国内の複数の州に広がっていることも突き止めた。資金力のないはずの人物が関与した、いくつかの不審な取引は違法な取引を隠すためにラランジャ(名義だけを貸し出す人物や法人)が使用されていることを示唆している。